第23話 タワーの真実

「どいういうことだ? これは?」


 俺達が立っているのは『ザ・タワー』のフロア。

 30階は広大な異世界が広がっていたはずだが、今、俺達が立っているのは29階までとかわらないタワーのワンフロア。


「ここはタワーの中よね?」


 ミキはあたりをキョロキョロと見ている。


「アタシ達は幻覚を見ていたってことかしらね」


 ミコトは冷静に言った。


「ヒサシ、救出した子供達は?」

「そうだった。道具袋から出してみる」


 ミキに言われ俺は道具袋に入れた建物と子供たちを出そうとした。


「ない……」

「ヒサシ、ないってまさか」

「ああ、建物も子供も入ってない」


 捉えられていた子供たちも全て幻想だったと言うのか。


「おい、みんな先に進もうぜ」


 猿田が向かう先には上のフロアへと続く階段があった。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界パンデミック ユニ @uninya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ