彼が去った日
6月初め。梅雨入りのニュースが流れ始めた日に、彼は私の元から去った。
私が長男と過ごした約1か月。
彼は日に日に明るくなり、自由に過ごすようになり、次の職を決め、引っ越しの手続きをし彼のペースではあるが前に進んで行ってた。
私の中には彼に対する少しの鬱陶しさと多大な心配と安堵と不安と。
いろんな感情が混ざっていた。
鬱の彼を見守り続けることに疲労感もあったし、仕事を終えて彼がいてくれる安心感もあった。
彼の見送りをしたときに、私は初めて彼を手放した気になった。
まだまだ手がかかり心配しかないのかもしれない。
それでも彼は自分の人生を歩き出す。
どうか彼にやさしい時間が流れますように。
めんどくさく、手もお金もかかる息子だけど。
やっぱり自分にとってはかわいくて手放すには勇気がいるもんなんだな。
私の子供でいてくれてありがとう。
いってらっしゃい。
彼の話 mil @mil-crysta
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