第2話

森の中を歩き回っていると水の流れる音が聴こえ、そちらの方へ歩きながら頭を整理させる。

「オークとかいるってことはまさか異世界に来たとか?でも、神様に会ってないし、召喚された訳でもないだろう……?あれか?迷い人とかになるのか?でもこんな服持ってないぞ?」

考えていると水の音がうるさくなったのを感じ前を見れば川があった。

「よしっ!これで水は何とかなった!」

と、喜んだのも束の間、1つの問題点に気が付く。

(あれ〜?もしかして、これそのまま飲めない?そうだよなぁ?腹壊すよな?鍋持ってきたから沸騰はさせれるけど……火がねぇ…)

今から昔のように木の棒と板で火を起こそうにも辺りも薄暗くなっている。このまま森に探しに行くのは危険だろう。

(えーっと…、異世界だし、オークもいたなら魔法使えるんじゃ?)

そんな淡い期待を胸に手を前に突き出しながら「ファイヤーボール!!」「ファイヤー!!」

と勢いよく叫んでみるものの何も手のひらから出てこない。

(はいそうです、期待してすいませんでした…!そうだよ出来るわけないじゃん!やり方知らないし!大体何だよ呪文って!いざ口に出すどものすっごい恥ずいんだけど!?あ、でも小説とかはイメージが大事とか書いてたな…?)

一応集めていた木の枝に燃える炎が手から出るイメージで手のひらを出してみれば火の玉が手から発射され、木の枝に燃え移る。

「こうか…?お、出た!出来た!てかアッツ!」

一旦、別も場所に石を組んで竈を作りそちらに燃える枝を移して水をくんだ鍋を温める。

(しっかし、確かに羨ましいと思ったことは沢山あるけど運動が得意なわけでも知識がある訳でも人付き合いが上手いわけでもない俺が転生してるんだよ……)

そう、転生なのだ。鍋に入った水を見た時に目に入ったのは俺の姿ではなかった。黒髪黒目は変わってないが明らかに顔が違う。てか、幼い顔をしていた。思い出せば此処に来てから出した俺の声も元より高い声になっている。最初はこの身体が誰か他の人のものなんじゃないかと焦ったがその心配は無いみたいだ。というのも、生きていればつく傷。しかも、こんな森の中ので暮らしていたならないとおかしい傷が跡すらないのだ。まるで俺が起きた直前に作られたように……

(ってあんまり考えすぎても仕方が無いし、今は生きていくことだけ考えておこう)

あの家にあった食料は携行食品のようなものが7個ほど。1日1個で過ごせばとりあえず1週間はもつがそれからは何も無い。

(とりあえず、食料の確保と何処か町を探すのがこれからの目標だ……)

結構歩き回ったのと慣れない環境というのもあり、俺は無防備にその場で眠ってしまた。

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