第3話 魔女狩り
私が自宅に帰ると両親が先に帰宅していた。本当に仕事を辞めたのであろうかと問いただすと。有給だと言い張る。
私は『スクールマスター』での出来事をいい。簡単な事でお金は稼がないと両親を説得する。
「薫、あなたは働く事の大変さを知らない。年下の上司に媚びを売って、最近は部下に対しても、パワハラにならない様に気を使う」
父親は怒った様子で私に反論する。
私は『魔女狩り』が予想以上に厳しいと推察する。レイナお姉さまの話だと、魔女は人の肉を喰らい、その為に人々を襲う。当局が交通事故して扱っている為に正確な被害者の数値は分からない。
私は家事を終えると自室に籠るのであった。もう嫌だ、こんな両親は要らない。私はベッドの上から天井を見上げる。
ふと気がつくと、レイナお姉さまの手の温もりが、まだ、感じられた。しかし、高校生の財力でライフポイントが足りるのであろうか?レイナお姉さまと番号を交換したスマホを眺めていると。
着信かある。
レイナお姉さまからだ。何やら『魔女狩り』の事務的な事であるらしい。
『貴女の家族の全財産を計算しました。先ずライプポイントに振らないと死にます。貯金が少し多めにあるので、そこから引きますね』
やはり、恐れていた事が現実になった。
レイナお姉さまからの電話を切ると再び天井を見上げる。一瞬、眠ろうかと目を瞑ると。スクールバックの中の『霧雨』が鼓動しているのが感じられた。
これは『魔女』か……。
『霧雨』から感じるままに外へと向かう。それから、夜中の電車の高架下にたどり着く。そこで見たのは人を喰らう魔女であった。私が更に近づくと魔女と目が合う。長い髪がぼさぼさの魔女はこちらに向かってくる。私はナイフの『霧雨』を抜くと戦闘態勢に入る。
しかし、どうすればいい?
剣術など知らない。て、撤退だ。私は逃げる事にした。しかし、魔女の足は速く。首筋に鋭い爪をくらう。
ここで『霧雨』使わないと死ぬ。私は混乱したまま、魔女を『霧雨』で切り付ける。すると、魔女の腕に当たったが魔女は思いの外に苦しみ出す。この『霧雨』は普通のナイフではない。
私は生と死の狭間でおもいっきり『霧雨』を魔女の胸に突き立てる。すると、魔女は倒れ込む。怖くなった、私はその場から逃げだす。自宅に帰ると魔女から受けた首筋の傷は深く、貯金をライフポイントに降ってなかったら死んでいた。
うん?
スマホに着信がある。
『わたくし、帝都銀行の者です。魔女狩りありがとうございます。その賞金ご案内です』
ホントに来た、これで大金持ちになれる。
しかし、現実は甘くない。
『資料によりますと、魔女との戦闘で負傷されたかと。魔女の傷は数日で化膿して死にます。今回はライプポイントに使う方をお勧めします』
『ラ……ライフポイントに全て』
『はい、かしこまりました』
すると、首筋の傷が治っていく。
これが『魔女狩り』の現実なのか……
私はベッドに倒れ込み泥の様に眠るのであった。
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