第2話
2話
「ー…ッ!」
直(なお)【俺の恋人、新川直往(あらかわなおゆき)】に、最終兵器ワード(言葉)を言われて俺は直を思いっきり睨(にら)んでやった。
「あ。やっとこっち向いた」
にっこりとする直。お前わざとだろ、絶対。それを言えば俺が黙るから言ったんだろう。
――確かに。告白は俺からした。
それは忘れてないし忘れる訳がない。いや――忘れちゃならないんだ。
あの時から。いや、きっとそれ以前から。
俺はお前の事を――
そこまで思って睨んでいた眦(まなじり)をさげて真剣な顔つきで俺は言ってやった。
「好きだよ、直(なお)」
「……ッ」
直は顔を真っ赤にして口つぐんだ。今度はお前が黙る番だ。
俺の【弱点】を知ってるお前だからこそ、俺もお前の『弱点』を知っている。
直は、こういう不意打ちに【弱い】。
ついでだからって訳じゃないが――本当はゲームを中断させられた腹いせ――再び直の唇を奪ってやった。
一瞬、躊躇した直だがすぐに受け入れてくれた。こういう所、ホント可愛い。
温かくも柔らかい唇を存分に頂いて口を離すと――
「…僕も、りゅうちゃんが大好き」
少し照れながら、直は俺の首に腕を回して抱きついてきた。
「分かってるよ」
短く言いつつ、直の背中を優しく受け止める。
――俺は今最高に幸せだと思う。
この状態がずっと続けばいいと願う――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます