第2話

2話


「ー…ッ!」


 直(なお)【俺の恋人、新川直往(あらかわなおゆき)】に、最終兵器ワード(言葉)を言われて俺は直を思いっきり睨(にら)んでやった。


「あ。やっとこっち向いた」

 にっこりとする直。お前わざとだろ、絶対。それを言えば俺が黙るから言ったんだろう。




 ――確かに。告白は俺からした。

 それは忘れてないし忘れる訳がない。いや――忘れちゃならないんだ。


 あの時から。いや、きっとそれ以前から。

 俺はお前の事を――


 そこまで思って睨んでいた眦(まなじり)をさげて真剣な顔つきで俺は言ってやった。



「好きだよ、直(なお)」

「……ッ」

 直は顔を真っ赤にして口つぐんだ。今度はお前が黙る番だ。


 俺の【弱点】を知ってるお前だからこそ、俺もお前の『弱点』を知っている。

 直は、こういう不意打ちに【弱い】。


 ついでだからって訳じゃないが――本当はゲームを中断させられた腹いせ――再び直の唇を奪ってやった。


 一瞬、躊躇した直だがすぐに受け入れてくれた。こういう所、ホント可愛い。


 温かくも柔らかい唇を存分に頂いて口を離すと――



「…僕も、りゅうちゃんが大好き」

 少し照れながら、直は俺の首に腕を回して抱きついてきた。


「分かってるよ」

 短く言いつつ、直の背中を優しく受け止める。



 ――俺は今最高に幸せだと思う。


 この状態がずっと続けばいいと願う――

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