第393話 第二関門クリア

 

「いいものを撮ってきてくれたな。なんか頑張ろうって気がしてくるよ」ロイの顔に笑みが浮ぶ。

 そこへ『もうそろそろ、持ってきた物を確認してもいいですか?』ニゲラが声を掛けてくるので「言われた物は持ってきた」マーティがバッグから二つのブレスレットを取りだして見せると『ああ、結構です』


「どうしたの?」ニゲラの様子がおかしいことに気付くバーネットに『予想してたことと少し違った結果なので、ちょっと驚いてるだけです』

「予想?」

『誰か一人くらい、戻ってこないんじゃないかと思ってましたので』


『そんな人はいないって前に言ったじゃないか! 余計なことするか、余計なものを持ってくるから遅くなるかもしれないけど、戻ってこない人なんかいないって!』


 シュールの言葉に「当たってるな」3Dカメラをしまうマーティ。

「読んでるわね」持ってきたバッグを見るバーネット。

「本当」大きな紙袋を見るアニス。


「さあ、言われた物は持ってきたぞ。次はどうするんだ?」ロイが先を聞くと『次へ案内します』


「先があったのよね。この荷物、どうしようかしら? 持ち歩くのは嫌だわ」バーネットがウンザリした顔をして荷物を見ると「何を持ってきたんだ?」呆れ顔のマーティ。

「ミネラルウォーターとフルーツよ」

「ずいぶんと嵩張かさばるものを持ってきたな。しかし、ミネラルウォーターは歓迎だ。分けてくれ」

「いいわよ」バックからペットボトルを取りだして渡す。


「しかし、困ったな」荷物を見るロイが「手荷物は無いほうがいいけど、ここに置いてくわけにいかないし」

『構いません、置いといてください。外で待ってる人間のところへ運ぶよう、手配しておきます』

「あの、私、荷物、お願い、していい?」

『どうぞ。邪魔になる荷物はここに置いてってください』

「よかった」ホッとすると、バーネットの荷物と一緒に壁際へ置く。


『では行きましょうか。誰か、この石像の脇にある扉を開けてください』自分がとまっている石像の左脇を見る。すると、そこには金色のドアノブが付いた、壁と同じ色のドアがあった。


「凄い所にドアがあるな」呆れるマーティ。

「ぜんぜん、わからな、かった」驚くアニス。

『石像でドアを隠してるみたいだね』とシュールが言うので「壁と同じ色にしてカムフラージュするなんて、なんかありそうね」深読みするバーネット。


「その中に鍵があるのか?」ロイが確認すると『そんな簡単に手に入ると思ってるんですか?』

「思ってないさ。鍵があるところまでどの位あるか、予測したかっただけだ」

『……そうですか』


 イヤな空気感が漂ってきたので、バーネットが「私が開けるわ」ロイの左腕をポンと叩いてドアを開けると、下へ向かう螺旋らせん階段が出てきた。


『私が先に行きますので、皆さんはあとから付いてきてください』ニゲラがバーネットの肩越しに中へ飛んでいくので「僕が先にいく」階段を降りようとするバーネットを止め「マーティ、最後から来てくれ」

「わかった」返事を聞くと中に入る。

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