7. エリーの部屋

部屋に入ってきたエリーは、

彼にもらったイヤリングを取り出して、うっとりしている。

部屋の隅では、バリー(犬)がのっそりと起きだした。


「あぁ!彼ってほんと素敵!私はこれから、

このイヤリングをつけて街に出て、

彼と食事して、そしてときおり彼は、

私がこのイヤリングをつけていることを喜んでくれるのだわ!」


そしてエリーは、愛情たっぷりにバリーを抱きしめる。


抱きしめられながらバリーは、


「うーん、この腹減り具合・・・まだ夕飯は先かなあ、

あぁ目が覚めちゃったなあ。

ご主人は抱きしめてくれるけど、それより外に連れてってほしいなあ。」


そんなことを考えながら、ワン、と一吠えする。


その声を聞きながら、バリーに寄生するノミは、


「よしよし、威勢の良い宿主様だ。充分に血が吸えそうだぞ。とりあえず今日は

この辺りの血を吸って、明日は向こうの毛の薄いところで産卵しよう。それから

あさっては・・・」


その一方、ノミの体内では、様々な種類のホルモンたちが、

卵巣の発育を促す大事な役割についてイメージトレーニングを重ねている。





「まったくバリーったら、よだれなんか垂らして、私が今どんなこと考えてるか

想像もつかないでしょうね」そういってエリーは、もう一度バリーを抱きしめた。

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