第150話 男子トイレな?
その為、正直な話ストレスフリーな学園生活が待っている筈であるのに、蓋を開けてみれば、むしろ三十年前に感じていたストレスよりも大きなストレスを感じながら学園生活を過ごす羽目になっているわけである。
まさかこんな状態になるなど三十年前の自分に言ったところで間違いなく信じてはくれないだろう。
「なぁ、どこまでついて来るつもりだ?」
「そんな事は決まっているわ。その答えは『どこまでも』だわ」
「本当に、スレットや頭のおかしなテロリストからこの町を守ってくれた救世主だというのに、アイツ等の東條様を見下した視線っ!! ありえないだろっ!!」
「でも、私たちも前まではあの人たちと同じような事をしていたので……他人の事は言えないのですけれども、でもだからこそ私たちは悔い改めて
そして、俺は『こいつらはいったいどこまで俺について来るのか?』というのが疑問になった為聞いてみると、俺の聞きたかった答えではない返答が返ってくるではないか。
会話的には何も間違ってないのが逆に、こいつらはわざと言っているのかと思えてくる。
「いあ、そういう訳ではなく手だな……。ここは学校側が俺の為に用意してくれた男子トイレなんだが、何でお前たちまでその男子トイレの中まで入って来ているんだ?」
そう、そもそも俺の聞きたかった事は『何で男子トイレの中まで一緒に入ってきているのか?』という事であり『俺の側にいる理由』ではない。
ちなみにこの男子トイレは校舎の離れにある、昔使われていた女子トイレを男子トイレ用に改造したトイレであり、立地の悪さから男子もあまり使わないトイレではあるものの、それでもそもそも女性が男子トイレに入ってくるという事自体が間違っていると俺は思うんだが……?
しかし、その事を伝えたところで氷室、大槌、的場の三名はまるで『それが何か問題でもあるのだろうか?』という表情で俺の事を見つめてくるではないか。
三人からそんな顔をされると、まるで俺が間違った事を言ってしまったような、俺の方が、常識が無いような気になってくるのだから集団心理というものは恐ろしいものだと実感してしまう。
「ですが……ここのトイレは元々女子トイレなので」
「いや、元々女子トイレなだけであって今は男子トイレな?」
「俺は気にしないぜっ!!」
「……俺は気にするから言っているというか、頼むから気にしてくれ……っ」
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