第128話 まだ俺は耐えられる
そして初対面に関わらずいきなりフレンドリーな感じで近づいて来る変態博士こと斎藤博士に千里と依鶴が警戒しまくっているのが見ただけで分かる。
うん、分かる。 あれは俺だって警戒する。
滲み出る変態オーラを隠しきれていないのだから。
それさえなければ胸も大きく、美人な大人の女性という顔にスタイルをしていて、そして何よりも胸が大きいのだから勿体ないと思わずにはいられない。
うん、むしろ胸が大きいからこそまだ俺は耐えられる。
天は二物を与えないとは良く言うのだが、大きな胸に天才的な頭脳にそこら辺のアイドルよりも美しいと思える美貌とスタイル、そして何よりもその大きな胸と与えまくっているそれら全てを帳消しにするデメリットを与えているのだから神という存在を少しばかり信じてみようかなという気持ちにさせられる。
「麗華さん~。 だ、誰ですかぁ、この人はぁ~? 初対面にも関わらず馴れ馴れしいんですけどぉ~?」
「おいおい、まさか麗華……こいつに騙されているんじゃぁないだろうな? もしかして私達を売ったのか?」
「そう怖がらなくても良いぞっ!! いや、もっと怖がってくれっ!! こ、これが俗にいう『好きな子には虐めたくなる』という人の心理かっ!! あぁ、確かにこれはこの表情見たさに虐めたくなる気持ちも分からないではないなぁっ!!」
「「ひぃっ!?」」
「学生二人が怖がっているでしょうがっ!! それを面白がって手をワキワキしはじめねっとりとした視線を向けるのは止めてくださいっ!!」
そして未だに隠そうともしていない、斎藤博士から滲み出ている変態オーラに警戒心マックスな二人の表情を見てむしろ更に変態ムーブをかまし始める斎藤博士の頭を中島助手がスリッパで叩き止める。
「い、痛い……」
「ならいい加減真面目にしてくださいっ!! いつもいつも斎藤博士の面倒を見ている私の身にもなってくださいよっ!!」
……中島助手にはいつか報われて欲しいと思ってしまう。
「落ち着きなさい、二人とも。 この斎藤博士は変態であり頭のネジが数本どっか落としてしまっているのだけれども腕だけは確かよ。 と言っても言葉だけで信じろというの無理でしょうから、まずは斎藤博士が作ったあなた達用の魔術行使用媒体を使ってみてから判断してもらって良いかしら? 因みに、この魔術行使用媒体は東條様の魔術行使用媒体が新しく使えるバフ能力を受けたら普通であれば数十秒と持たず壊れるのを、壊れない仕組みになっているわ」
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