第102話 偏った妄想
しかしながら私は思う。
果たして今の私の実力で東條様の隣に立っていても良いのであろうか? と。
確かに、東條様の魔術行使用媒体へ新たに加えられた機能で私の魔術行使用媒体の能力を向上すれば、もしかしたら東條様の横に並んでも遜色ない力を手に入れる事ができるかもしれない。
しかしながらそれはあくまでの東條様のサポートによって手に入れた力であり、私が本来持つ強さではない訳で、それは東條様へおんぶにだっこ状態であると言えよう。
それは横に並んで共に歩み、お互いを支え合いながら暮らして行く夫婦という形ではなく、夫に頼りっきりで専業主婦と言いながらも家事を一切しない上に夫のお金で友達と高級ランチへ行くようなものではなかろうか?
その形が、夫婦で話し合った結果の形であればそれでも良いと思うのだけれども、私はやはり東條様の背中を守ってあげられるような、共に未来を東條様の横に並んで同じ景色を見ながら歩んでいけるような、そんな妻になりたいと思う。
そして何よりも私のプライドが東條様に頼り切った存在である事が耐えきれないのである。
しかしながら今現在東條様以上の魔術師など恐らく世界中を探してもいないであろうし、そもそも世界ランク上位陣の魔術師たちを複数人束ねて戦わせても東條様が易々と勝利してしまう光景が容易に想像できるほどの実力差があると断言できてしまう。
「…………本当は秘密の特訓等をして東條様をビックリさせたかったのですけれども、今までの常識や練習方法などではどう足掻いても東條様に追いつけないという事は現在の世界ランク上位陣の魔術師たちを見れば分かるというのが、東條様の凄さを物語っているわね……。 素直に東條様に弟子入りするしかないようね」
そして私は想像する。
東條様との師弟関係として修業をする未来を。
『あん……っ』
『どうした? 麗華』
『東條様の課した特訓が余りにも激しすぎて、私……もう立つこともできないみたいね……』
『そうか、仕方ないな。 ならば俺が負ぶってあげよう』
『あ、ありがとうございます……っ』
『おや? 汗をかいているじゃないか。 俺がタオルで拭いてあげよう』
『あんっ、服の中まで拭かなくても良いわよっ』
『なにを今さら言っているんだ? 俺と麗華の仲だろう?』
『もうっ、東條様のエッチなんですから……。 でも、そんなに私の身体が気になるのでしたら……その──』
『こっから先は俺に言わせてくれないか? 麗華』
※麗華の妄想によりかなり
…………師弟関係もなかなかどうして良いじゃない。
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56話が抜けていたみたいですので、追記いたしました。
その関係で56話から一話ずつ話数がずれております。
結果前回が100話ではなく101話でした(´;ω;`)ウゥゥw
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