第101話 過言ではない



 そして私は斎藤博士の提案に、博士がまだ話しているのを遮ってでも食い気味で了承の返事をする。


 その私の答えに斎藤博士は本当に了承してくれるとは思っていなかったのだろう。

魔術行使用媒体

 少しだけビックリした表情をしているのが見て分かる。


 普段私たちが斎藤博士の下ネタで驚かされているドン引きしているので、逆に斎藤博士を驚かせたという事が少しだけスカッとしてしまう。


「えぇ、別に構わないわよ。 むしろそれによって東條様のサポートをいくらでも受けられるのならば今すぐにでもやって頂戴」


 そして私は斎藤博士今一度、私の魔術行使用媒体を新しく作り変えるように返事を返す。


 むしろ東條様のサポートを受けて壊れる魔術行使用媒体と壊れない魔術行使用媒体であればどう考えても後者を選ぶ以外選択肢は無いではないか。


 にも拘わらず何故そんなに驚いているのかが私には理解できない。


「もう一度聞くが良いのかい? 恐らくだか魔術行使用媒体の重さは今まで使っていたモノよりも数十グラム……そうだな、六十グラム前後増えてしまうのだが……? 君たち魔術師、特にトップレベルの位置にいるランカーと呼ばれている魔術師たちは魔術行使用媒体の性能を今まで以上に上げた上で一グラムでも軽くしろという無理難題を耳が腐るんじゃないかと言うくらい毎回毎回しつこく言ってくるではないか……」

「えぇ。 それはそうね。 だって私たちはこの魔術行使用媒体に命を預けているんですもの。 そしてあなたたちは魔術行使用媒体の能力を上げて重さを減らした、新しい魔術行使用媒体を作り出すのが仕事で安くないお給料をもらっているのでしょう?」

「いやまぁ、それだけが仕事ではないがメインの仕事はそうだな……。 しかしながらだからこそ麗華君が、魔術行使用媒体が数十グラムも重くなるにも関わらず了承するとは思っていなかったのでな」

「それはそうでしょうっ!! 東條様のサポートを受けても壊れない魔術行使用媒体と比べれば数十グラム増えるなど取るに足らない問題でしかないわね。 なんなら東條様のサポートを受けて壊れてしまう魔術行使用媒体など、壊れないように作り変える事ができると知ってしまっては最早今の私にとって無価値になったと言ってっも良いわっ!」


 そう、サポートを受けて壊れる魔術行使用媒体など無価値と言い切れるくらい、東條様のサポートを受けて壊れない魔術行使用媒体はかちがあるのだ。


 というか、同じ刀の魔術行使用媒体で、東條様のサポートを受けて壊れない魔術行使用媒体を持っているのは私だけ……これはもう婚約していると言っても過言ではないのではなかろうか……?



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祝!! 百話っ!!(∩´∀`)∩いえい

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