第6話 女は度胸
そして私が現実逃避をしている間に十名のメイド達によりあれよあれよと私の身体や衣服は演説に向けて仕上がって行く。
ちなみにこのメイド達の名前は背が低い順番から───
赤毛でそばかすがチャームポイントのアン
元気いっぱいドゥ
黒髪おかっぱが可愛らしいトロワ
金髪ドリルでお嬢様口調のカトル
メンバーの潤滑油サーンク
真面目一筋委員長タイプで眼鏡が光るスィス
母性の塊りママと呼びたくなるセット
眼光鋭い三白眼のポニーテール侍ユイット
考える前に行動攻撃前進あるのみ脳筋ヌフ
おっとり穏やか包み込む柔らかさディス
───である。
因みに身長と胸の大きさは比例している。
そして帝国軍は全部で十二部隊で構成されており一番隊隊長はアルファ(ネズミの従魔)である。
そう、カッコいい名前をつけたかったのだが名前を考えるのは意外と難しいのだ。
メイド達はフランス語、部隊長である十二星獣達はギリシャ文字であり、そう決めてしまえば名付けに悩む必要も無い。
それにカッコいいのだからまさに一石二鳥であると私は思う。
決して手を抜いている訳では無い。
決して手を抜いている訳では無いのだ。
しかしながら、こんな事になるのならばもう少しちゃんと一人一人考えてあげれば良かったとという気持ちは胸の奥底へと締まって蓋をする。
そして、そうこうしている間にも時間は無情にも刻一刻と流れて行く訳で。
そして気がつけば演説の時間である。
もうどうにでもなれ。女は度胸。
一周回って開き直った私はメイド達により過去最高にお洒落した格好でバルコニーへと歩みを進めるのであった。
◆
難攻不落の天空城
一体誰がそう言い始めたのか。
我がバルシャワ帝国の上を浮遊し続けて、今尚我がバルシャワ帝国へと魔力を注ぎ続けてくれている。
その天空城へと乗り込む計画を皇帝陛下が申したのが半年前。
そして昨日、帝国の冒険者ランクSパーティー三組と帝国騎士団、帝国宮廷魔術師達によってついに天空城へと乗り込む計画が遂行されたのだが、結局乗り込む事は出来なかった。
難攻不落という二つ名は伊達では無いと改めて思い知らされる。
「天空城にかかっている雲さえどうにか出来れば乗り込む事は可能であるが………」
それが出来ないから今まで何人たりとも上陸出来なかったからこその難攻不落の二つ名なのである。
そう簡単にどうにか出来ればこうも苦労はしない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます