第471話 ベッドで一緒に寝る位は良いのではないか?
「ふぅむ、かなり危うい状態ではあるものの、何とか大丈夫そうではあるの。しかし、手足の欠損ばかりはどうにもならぬ。その点だけは我が力の至らなさを恥じるばかりである。では…………」
そしてスサノオがフランお嬢様へ古代竜魔法で治療しようとしたその時、私はスサノオの肩をガッツリと掴む。
「むっ?どうした?」
「『む?どうした?』ではございません。何普通にフランお嬢様へキスしようとしているのですか?」
「い、いやこれは魔術を発動するのに必要な行為でな………」
「良いでしょう。正しい治療が終われば全て包み隠さずフランお嬢様へ、スサノオがどのようにしてフランお嬢様に竜魔術を施したのかご説明させて頂きますので、それでも宜しければどうぞ?」
「ぐっ、…………あー、我は思い出したぞー。そうだそうだ、そうであった。キスをしなくても我妻を治療する竜魔術があった事を思い出したぞー」
そしてスサノオは大根役者もビックリなフラン様ばりの演技で誤魔化し、竜魔術をフラン様へかけ始めた。
ペットは飼い主に似るとは言うが、これは流石に無いと私は思うのであった。
◆
「………………死んで無かった………のか?」
目を覚ますと最早見慣れたわたくしの自室の天井であった。
神の糞野郎を倒したから死亡フラグが消え、生きながらえる事ができたのか、ただ単に様々な奇跡が重なっただけなのか、分からないのだが、ただわたくしはまだ生きているという事だけは分かる。
そしてわたくしは起き上がろうとしてバランスを崩し、床に倒れてしまう。
そうだ。
わたくしは左腕と右足をあの糞野郎に吹き飛ばされた事を思い出した。
お腹………はあるみたいですわね。
とりあえずお腹に風穴が空いていない事を確認して命に別状はないであろうと判断し安堵の溜息を吐く。
「お、お嬢様?フランお嬢様っ!?目が覚めてっっっ、それよりも早くベッドへ上げませんとっ!!」
「そんな慌てなくても大丈夫ですわ、メイさん」
「いえ、病み上がりですので私と一緒にベッドへ入ってくださいっ!さぁっ!」
「はぁ、まぁ良いですけれども………一緒にですのっ!?」
「はいっ一緒にですっ!!」
そして、何故かわたくしと一緒にベッドで寝たいと言うメイさんは、涙が滝の様に流れていた。
きっと心配で仕方なかったのだろう。
であるならば、心配をかけてしまったお詫びにベッドで一緒に寝る位は良いのではないか?
そう思っているとメイさんがわたくしの目の前から消え、いつの間にか身体をロープで縛られ天井につるされているではないか。
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