第448話 思わず言葉に詰まってしまう
「こんな所で高みの見物ですか?」
「誰だ?貴様は?何処の国の者か?」
そんな事を思っていると、誰かが声をかけてくる。
私達以外に空を移動出来る者がいる事に驚愕すると共に、それが表情に出ない様気をつけ警戒しながら問い掛ける。
「何処の国と言うよりかは何処の組織かと言った方が正確ですわね。私はブラックローズの一員であり、あなた方の敵で御座います」
「…………貴様、あの爆姫か?」
「あのと言われましても、むしろいつの間にかそんな二つ名がついていた事に今驚いておりますわね。ただまぁ、爆破が得意である事は肯定致しましてよ」
赤く燃える様な髪がウェーブを描きながら腰まで伸び、胸は大きく、その谷間を見せつけるてくる。
しかし太っているという訳でもなく腰はくびれ、その妖艶さに拍車をかけていた。
それは、ブラックローズの幹部候補と言われているナンバーズの一人、爆姫の情報と一致する為カマをかけて見たのだがどうやら俺の推理は残念ながら正しかったみたいである。
しかし彼女は一向に俺を攻撃する気配を見せず、それが違和感として俺を襲う。
彼女程の者になると俺に気付かれる事なく、やろうと思えば奇襲も出来た筈なのである。
「何を考えている。何故俺へ攻撃して来ない?」
「あら、では貴方は何故王国軍を攻撃しないんですの?」
「それは………」
痛い所を突かれ、俺は思わず言葉に詰まってしまう。
「貴方は、教皇に違和感を感じて、疑問に思っているのでは無くて?」
「………………」
彼女の目はまるで全てを見透かしている様に俺の心を覗いてくる。
「沈黙は肯定と見ますわよ。良いでしょう。真実をお教え致しますので我々について来て下さるかしら?」
「わ、我々………?い、いつの間にっ!?」
そして気がつくと俺は黒い仮面を被った軍服とメイド服を着た者達に囲まれていいるでは無いか。
「あら、そんな事もあなた方ののいう神とやらはお分かりでなかったのですか?」
我々は一体何を相手にしているのか、その底知れぬ何かに思わず恐怖を覚え身震いする。
例え、神でも勝てないのではないか?というあり得ない事を想像してしまうくらいには。
「まぁ、とりあえず安全面を確保する為にも拘束させて頂きますわね」
そして彼女がそう言いながら指を鳴らすと、俺は見えない何かに拘束されていた。
避ける事も、防ぐ事も出来ず、まるでまだ歩けない子供を捕まえるかのごとく容易く拘束された俺は納得する。
コレを相手にしたら勝てなくて当たり前であると。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます