第384話 私の影達を再度放つ

「ふ、ふざけんなっ!!俺達が何をしたって言うんだよっ!?」


そんな私の言葉にバカな人間が怒声を上げて問いかけてくる。


全く、コレだから物分かりの悪いバカは、大っ嫌いなんです。


特に、こんな馬鹿に私の貴重な時間や資材を投げ打って無意味な事をやらせていたという事実に腹が立って仕方がないのだ。


「あら、一年近くも情報収集させていたにも関わらず何も成果はありませんでしたという貴方達の無能さ加減を棚に上げて逆切れですか?偉くなったものですわね」

「違うっ!俺達は情報を得ようと必死に努力してきたんだっ!!」

「私、努力っていう事が嫌いなんですよねぇ。だって『努力』って言葉言えば許されるとでも思っている貴方のような馬鹿が出てきてしまいますからね。努力なんて関係ないんですよ。分かります?努力しようが努力しまいが結果を出せば良いんですよ。で、一年近くも貴方達は何も情報を引き出せなかったと言うのであれば死んで貰うしかないでしょう?だって貴方達に費やす時間や金銭が無駄だって事じゃないですか。私が言っている事に文句があるのならば七賢者の弱点やブラック・ローズの幹部の情報やローズの人物特定等、私にとって有益になり得る情報の一つや二つ今ここで言ってみては如何ですか?それが出来ないから無能であり、そんな無能は要らないと言っているのです」

「俺達がどれ程の困難をっ───」


そして私は言いたい事を全て言い切り、まだ何か反論しようとしてくる人間の男性の首を先程同様風魔術で跳ね飛ばす。


「良いですか?もう一度言いますね。私は無能は要りません。私はエルフであろうと人間であろうと獣人であろうと皆平等に扱います。あぁ、なんて私は優しいのでしょう。ですが、無能とそうでない者との区別は致します。先程の二人の様になりたく無ければ文字通り死ぬ気で情報を集めて来なさい。どうせ何も情報を掴めず帰って来ても殺されるだけですからね。では期待してますよ」


そして私は、私の影達を再度放つ。


その影達のやる気もコレで一年間は高水準で持続するであろう。


本来であれば全員殺す所であるのだが二人殺すだけでもう一度チャンスを与えてやるのだから私の優しさに影達も涙を流しながら感謝している事でしょう。


しかし、エルフも馬鹿が多くなったものだと私は思わずため息を吐く。


何故エルフというだけで殺されないと思うのであろうか?


そんな馬鹿どもは私がエルフを殺さない限り自らのその馬鹿さ加減に気付こうともしないのだからどうしようもない。


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