第377話 エルフの精神攻撃
「お兄様………」
私の兄はエルフに滅ぼされたウカリダ王国、その亡国の王子であった。
しかし、今頃はきっとエルフの男共の慰み者にされているであろう。
その屈辱に耐えかねて自殺をしていなければ、とは思うものの今現在は私自身が生き延びる事で精いっぱいである。
エルフの繁殖率の低さは勿論出生率の低さでもあるのだが、それに加えてエルフの男性は男色を好む傾向が強いからとも言われている。
あの、厳つい巌の様なお兄様がお兄様とは正反対である美麗なエルフ達に嬲られる………なんだか知らないけれどもその事を想像するだけで、あぁ、イケませんっ!そんなふしだらな事を想像するなんてっ!あぁ、なんといけない妹なのでしょうか。
きっとこれもエルフの精神攻撃なのであろう。
実に許すまじ、エルフ。
エルフだけで楽しみやがってっ!私にもその光景を生でみる権利があるはずですっ!なんてたって実の妹なんですもの………はっ!?今私は何を考えていたんですかっ!!エルフ達めっ!!このような精神攻撃ではわたくしはやられませんからねっ!!
◆
何故だろう、エルフに我が国を滅ぼされて数か月。
久しぶりにあった妹が俺を見る目が何だか少し気持ち悪い気がするのだが、気のせいであろうか。
そして、久しぶりにに話す内容はオブラートに包んではいるものの要約すれば『どのような辱めを受けたのか?尻は大丈夫か?』と言った内容なのは気のせいであろうか?
「おい、せっかく兄弟が揃ったんだ。何か言う事があるんじゃねぇのか?」
そんな疑問を抱き始めた時、この俺を奴隷にし、そしてその奴隷契約の主であるエルフがニタニタとした笑顔で話しかけてくる。
「私如きの為に妹と会わせて頂きありがとうございます。ご主人様に感謝を」
「フン、すこし投げやりな気もするが良いだろう」
そして俺は怒りをぐっと堪え、土下座し続ける。
きっと今の俺の表情は憤怒に染まっているのであろう。
「だが、感謝の言葉が足りないんじゃぁないかなっ!」
「ぐえぇっ!?」
「まったく、エルフの蹴りでそんな見苦しい声を出すなんてまだまだ鍛えたり無いんじゃないのか?」
そんな俺の脇腹を件のエルフが足を振り上げて蹴りを入れられ、主であるエルフの皮肉めいた言葉を聞きながら意識を手放すのであった。
◆
「くっ、あっ、はぁはぁ、くぅっ!もう無理だっ!」
「何だ、もう限界だなんて言わないよなあぁ?お前の身体はこんなにも喜んでいるというのに。相変わらずお前と違って身体は正直だな」
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