第364話 有意義な話を

しかしそんな事をただのか弱い乙女であるわたくしが考えた所でどうしようもない事なのでわたくしは考える事を辞める。


結局のところ何かあったとしても帝国が裏で動かしているであろうし、何かしていなくとも事前にこの神父については帝国側が調べを付けているのだから考えるだけ無駄な時間ですわ。


そんな事よりも有意義な話を聞けて良かったと思う事ですわね


実際のところはノア第二王子がフランに感化され、貴族至上主義が増えてきている現状に嘆き、神を信じる宗教ですら人よりけり、ならば人間も平民から貴族までよりけりという事をこの遠足を通じて貴族のご子息達に少しだけでも良いから伝わって欲しい、何ならこの思いがフランに届き、俺の株が上がればさらに良しという神聖さなどかけ離れた打算が含まれている事など、当のフランは考える前に考える事を辞めていたなど、ノア第二王子は知る由もない。


むしろフランならば気づいて当たり前であるとすら思っているのだが、こと恋愛事においては壊滅的に疎いフランである為、そこに色恋が混じった瞬間フランの朴念仁が発動してしまう事までは流石のノア第二王子は、残念ながら計算する事が出来なかったようである。


しかし、ノア第二王子がそれに気づかず満足しているのならばそれはそれで幸せな事なのであろう。


そしてその事実に唯一気付いているウルは我が主の唯一の欠点である恋愛事においては壊滅的という部分に悲しくなるもののノア様ごときでは我が主であるフラン様には相手にされないという優越感とで何とも言えぬ感情が胸の内に渦巻いていたが、当然そんな気持ちなど一ミリも表には出さない。


「やっと長話が終わったぜ」

「ふん、だからオメェはガキなんだよ。こういうのは修行だと思って瞑想をし、精神を集中させていれば一瞬で終わっている」

「どっちもどっちですわ。こういうのをどんぐりの背比べというのですわね」

「フラン様はどんな神様をお作りになるのですか?私はフラン様を元に作りたいと思っておりますっ!!」

「「わたしもですっ!!」」

「「「むしろ私たち三人で合作しますっ!!」」」

「その気持ちは有難いのですけれども………わ、わたくしを元に作ってもご利益などございませんわよ?」


そして神父様のありがたいお言葉を聞き終えた後、リクリエーションの時間へと移り、各々好き勝手雑談が始まるのだがミシェル様、リリアナ様、シャルロッテさん達から理解に苦しむ事を言われて思わず聞き返してしまう。


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