第262話 誰が何と言おうとチョコレートソース

そして、女性陣で海を堪能した後、男性陣に施している闇魔術を解いてやり、今現在海を存分に楽しんでいる姿を見る事が出来る。


ちなみに塩水は水魔術で洗い流した後更にスキル、クリーンで綺麗にしているので身体のベタつきなどによる不快感や髪のごわつき等は無く、この点に関しては前世よりも快適である。


「ほら、そこで突っ立ってないでリーシャさんもお皿を持ってらっしゃいな」

「い、いいいい、良いんですかっ!?」

「良いも何も一人だけ食べないなどというのは、わたくし的にはそれが例え庶民でありドミナリア家のメイドであったとしても心苦しいものが御座いますもの」


そんなこんなでただ男性陣がはしゃいでいる姿を見るというのは寂しい物がございますためヤギ乳で出来たアイスクリームを皆様に分けて行くのだが、メイド長であるリーシャが食い入る様に見つめてくる為、リーシャも皆んなと同じように取り皿を持ってくるように言ってあげる。


この、目の前には流石メインキャラクターと隠しキャラクター、美し過ぎる肉体美もとい筋肉をお持ちである。


それをおかずにアイスを食べるというのだ。


この最高の条件でアイスを食べたいと思うのはいくらメイド長といえど人の子、女の子なのであろう。


わたくしの言葉に、普通であるならばドミナリア家には決して見せないような満面の笑顔をした後、残像が見える速さでお昼を頂いた場所からお皿を取ってくる。


「一応聞きますが、分かっておいでですわよね?(勿論でございますが、この事はドミナリア家だけでなくメイド達にも他言無用ですわよ?)」

「勿論で御座いますっ!(当然分かっておりますっ!少しずつでもフランお嬢様の素晴らしさを同僚や部下達にお伝えして行きますっ!!)」


なんだか会話が噛み合ってそうでまったく噛み合ってないようにも思えるのだが、本人であるリーシャのこの真剣な表情を信じる事にしよう。


「それで、リーシャさんはどのソースをおかけになりますの?」

「チョコレートソースですっ!誰が何と言おうとチョコレートソース一択ですっ!!」


そこはやはりリーシャも女性である為最近の流行に関しては常にアンテナを張っているのであろう。


チョコレートソースをかけている時の表情はまるで無垢な少年少女を思わせる程の純粋な喜びの表情をしているのである。


その表情を見て、わたくしは他のメイドにもこのアイスクリームにチョコレートソースをかけて食べさせてあげたいという欲求がより一層に強く出てしまう為、その気持ちをぐっと堪える。


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