第251話 メイドのスカートの中は亜空間

「それで、バケツと園芸用コテを持ってフランは今から何をするつもりなんだ?」

「そんなの、今から土をこのコテで掘り起こしてミミズを捕まえる為に決まってますわ」

「………は?」


そしてノア様がわたくしが手に持っているバケツと、その中に入っている園芸用コテが気になったらしく聞いて来るので素直に答えれば『何を言ってんだ?コイツ』と言った様な表情をされ、少しイラッとしてしまう。


「お前、ミミズなんて捕まえて何をするつもりだ?まさか、食うつもりじゃねぇだろうな?」


そして次いでレオが、わたくしがミミズを食べる為に捕まえているのでは無いかと聞いて来る。


「い、言うに事欠いてわたくしがミミズを食べるだなんてっ!!信じられませんわっ!!」

「そうですよねっ!フラン様っ!」

「乙女に向かってその様なデリカシーに欠ける言葉っ!」

「男性陣はサイテーですわっ!これだから男と言う者は何歳になっても頭に中は子供のままですのよっ!」

「いや、俺は違いますよねっ!?」


そしてレオの言葉にわたくしが怒るとシャルロッテさんやミシェル様、リリアナ様が加勢してくれる。


オズウェル様に至っては完璧にノア様とレオのとばっちりであるのだが疑わしきは罰する精神であるのでそこは我慢して欲しい限りである。


クレームはノア様とレオさんへどうぞ。


「では男性陣は放っておいて女性陣は女性陣でフラン様のお手伝い、ミミズさん集めを致しましょうっ!!」

「「はいっ!!」」

「ちょっ!?悪いのはレオ一人であろうっ!!俺も手伝うぞっ!!」

「軽いジョークだろっ!ジョークっ!俺も手伝うからそう怒んなってっ!!」

「俺だってフラン様の為にミミズを探しますよっ!」


そしてシャルロッテさんの掛け声と共に皆一斉に園芸用コテで土を掘り返し、ミミズを探し始める。


しかしながら、メイド長よ。


何故貴女は園芸用コテをそんなに持って来ていたのですか?そもそもそんな数の園芸用コテを何処に仕舞っていたのですか。何ですって?不測の事態を想定してこそメイドである?メイドのスカートの中は亜空間であり秘密が一杯ですって?流石ですわね。


あっ、アンナさんっ、大丈夫ですっ!クワをご用意する程では御座いませんわっ!そもそもクワなど、いくらスカートの中が亜空間としても長すぎやしませんかねっ!?そもそも淑女が異性のいる前でスカートをたくし上げる様なはしたない真似はお辞めなさいっ!ってウルにメイも大丈夫ですからっ!!変な対抗意識をもたないで下さいましっ!



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