第132話 為堂々とフランの事を盗み見る
元々フランは昔から根が真面目であり授業中は勿論の事こういった勉学にあまり関係ない時間ですら真面目に聞いている、その様な人物である。
であるからこそ今現在眠ってしまっているフランを見て珍しいと思ったのである。
因みに睡魔と戦いうつらうつらと船を漕ぎ出し眠りに落ちる一部始終を見ている俺からすればやはりフランは可愛いと思ってしまうのも仕方のない事であろう。
因みに俺は今年も例年同様クラス委員なので今現在担任教師の横で補佐をしている為堂々とフランの事を盗み見る───ではなくてフランの事を見る事ができる。
今まではただ単に面倒くさいと思っていたこの役職もフランと同じ教室となった今年に限っては実に良い役職であると思う。
そしてそんなフランに担任の教師が気付かない筈がないのだが特に起こす事も無く、つつがなく終ホームは終わり本日の学業が終了した。
そして俺はというとこのまま教室に留まってしまうとクラスメート達も同様に俺と話をする為に留まってしまう為一旦教室をでて、小一時間経った後少しの期待を胸にまた教室に戻ると未だ静かに眠っているフランの姿があった。
違うのは座ったまま眠っていた姿勢から今は机に突っ伏し自らの腕を枕にして眠っているくらいであろうか。
いや、机の上に突っ伏して眠るというフランのその姿はもう一生見れないかもしれないとさりげなく映写の魔術で盗さ───ではなくて学園生活の思い出として納めたくなるのも仕方がないくらいに珍しいと言えよう。
ここ最近のフランは常に何かを警戒しており、更にこの俺を避け始めている為そもそもフランの寝顔が見られるという事自体が奇跡と言えよう。
そんなフランなのだが、陽が傾き出しオレンジ色に染まり始めた教室で眠る天使と思ってしまいそうな程美しく、思わず数秒程見惚れてしまうのだが、その間も俺の手は無意識に術式を書き上げ思い出を映写魔術で撮り貯めていた。
そして本日のベストショットは自室に飾ろう。
しかしながらよっぽど深く眠っているのか一向に起きないフランを見て俺は思う。
もしかしてフランに触れるのでは無いか?
そう思うと実行せずにはいられなかった。
俺はフランの前の席でフランと向かい合わせになる様に座ると、フランと同じ様に自らの腕を枕にして突っ伏す。
するとどうだ? 俺の目の前にフランの美しく可愛い無防備な寝顔が視界に入って来るではないか。
思わず映写の魔術式を目に施し、視界に映るフランを撮影してしまう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます