第101話 楽しみで仕方ない

 そして何を販売するのか。


 それを一言で言うならば『武器』であるのだが勿論只の武器ではない。


 その武器とは『銃』である。


 その販売する銃なのだがまず火薬は使わず魔術式を組み込み、使う人の魔力で打ち出す仕組みである。


 勿論打ち出す魔術式はわたくしのレールガン擬きと原理は同じである。


 しかし当然売るのはあくまでの銃でありレールガン擬きではない為、この武器のギミックは打ち出すというギミックまでである。


 それでもこの世界では画期的であり、戦力外であった人々を戦力として数える事ができるのだ。


 これを機に世界は間違いなく、こと戦争という分野においては常識が覆って行く事は前世から考えても間違いないであろう。


 ではなぜそんな物騒な物を売るのか。


 それは我ら秘密結社ブラックローズを世界最強の秘密結社として手っ取り早くのし上がる為である。


 まず間違いなくこの銃は世界へと広まるであろう。


 しかし使われている技術はこの世界において未知の分野である科学であり、それにより作られた銃はまさにオーパーツである為ブラックローズのメンバー以外に他に作れる者がいない。


 それは即ちブラックローズ製の銃だけが広まるという訳である。


 そして我々ブラックローズが手にする物は銃ではなくレールガンでありスペックからしてまず我々には逆立ちしても命中力及び威力で勝つ事は出来ない。


 更に言えば敵に渡る可能性がある武器であるので何も細工せずに売るわけがない。


 まず、とある魔術波を当てると銃が分解される仕組みにしており、同時販売する銃弾には我々ブラックローズの奴隷術式だけ近付くと強引に軌道を変えて絶対に当たらない仕組みを組み込んだ物しか作らないし、他の者には銃と同じく作れない。


 敵が差し出す武器を使って相対するという事がいかに恐ろしい事であるか、我々に刃向かった瞬間嫌でも理解させられる事であろう。


 そう、例えば死亡フラグ回収に訪れたメインキャラクターの武器が我々ブラックローズ製の銃に変わっていた場合などである。


 いや、間違いなくレオ以外のメンバーは銃へと移行する事は容易に想像できる。


 これは万が一死亡フラグを回収してしまった時の為の最期の砦であり、高くかつ頑丈にそびえ立つ事であろう。


 故に『動きだした』のである。


 最後の最後で武器がぶっ壊れて死亡フラグが、ブラックローズ製の銃を使った時点でそれは死亡フラグじゃなかったと神が知った時、どの様な表情をするのか今からでも楽しみで仕方ない。

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