第102話 神のクソ野郎

 戦争とは戦う前から勝敗は決まっているのですわ、神のクソ野郎。





 あれから最高位の奴隷契約によりアナスタシオは麻薬の誘惑も無ければ禁断症状も見られない為、アナスタシオ経由で麻薬中毒者達を集めて一気に奴隷仲間を増やす事が出来た上に銃の売り上げも恐ろしい金額を売り上げていた。


 勿論チョコレートやトランプやリバーシなども人気な為秘密結社ブラックローズの運用資金がとんでもない事になっている。


 そして想像以上に稼いだこの金銭を使い新たな拠点を作るつもりなのだが、どこに作るか悩み物である。


 しかし、それはまるで次に作る秘密基地の場所を悩んでいる様でこの悩みはこの悩みで非常に楽しいと思ってしまう。


「フランは武闘大会には出ないのか?」

「出ませんわ、そんな物騒な大会。 わたくしなんだかんだでか弱き乙女ですし万が一か弱き乙女のやわ肌に傷が出来ようものならわたくしの側仕えが対戦相手に何を仕出かすか分かったもんじゃありませんわ」


 そんな事を考えているとレオがわたくしに来週開催する帝国主催の武闘大会に出場するのかと聞いてくるので不参加と言っておく。


 もう聞くからに運命の強制力で死亡フラグねじ込んどきましたっ!といった明らかなイベントに出るわけがないであろう。


 しかしながらそんな事など知るよしもない死亡フラグ製造機三号であるレオは少し不満な表情をする。


 恐らくまだわたくしにボコボコにされた事を根に持っており、リベンジの機会だと一人勝手に張り切っていたに違いない。


 このまま勝ち逃げさせて頂きますのでそうやって一生悔しがっていれば良いのですわっ!


 まぁ、あれはわたくしではなくてローズという正体不明の謎の女性であるのだが。


「そうだぞレオ。 フランが武闘大会に出て活躍するわけがないだろう。 少しは考えたらどうなんだ?」


 おっと、死亡フラグ製造機一号であるノア様に喧嘩を売られたのかと思ってしまい思わず手が出そうになったのだがよくよく考えたらわたくしはか弱い乙女である為ノア様がおっしゃった事が全面的に正しい事に気付くと何とか握った拳を見えない所で解く。


 あぁ、風が吹くだけで折れてしまいそうですわ。


 か弱いって大変です。


「分かってないのはノア様ですよっ! フラン様は物すっごく強いんですからっ!」


 しかしシャルロッテとか言う死亡フラグ製造元会社であるシャルロッテがノア様を否定する。


 全く、この乙女然とした淑女を捕まえてレオもシャルロッテもまるで人をゴリラかなにかの様に言いたい放題言いやがって。

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