第39話 敵は、本能寺にありっ!

 今回やっと真っ当なイベントが起こったと言えよう。


 今までの各種イベントがイレギュラー過ぎた為本来なら嬉しく無いイベントにも関わらずほんの少しだけ嬉しく思う。


 今回のイベントはわたくしフラン・ヨハンナ・ドミナリアの幼馴染でもあるリカルド・コールドウェルのイベントでありレオ・クロスフィードのイベントでもあるシャルロッテ誘拐イベントとみて間違い無いであろう。


 やはりと言うか何と言うかこのイベントだけは神のクソ野郎ですらイベントの時期をずらす事は出来なかったみたいである。


「アンナ、ブラックローズのメンバーで戦闘に使える者達も連れて来なさい。 それと、これからシャルロッテの救出に向かうのですがそれと同時に秘密結社ブラックローズの初陣であるとも思いなさい」

「かしこまりましたっ!フランお嬢様っ!!」


 その瞬間、メイ、ウル、アンナが微かに震えた様に見えたのだがきっときのせいであろう。


 そう言うとわたくしは漆黒の鞘に収まった日本刀擬きを手にし、部屋に隠していた戦闘用の軍服擬きに着替える。


 これら全てはわたくし自ら集めた魔獣の希少部位で作られた最早国宝級とも呼べる装備品である。


 因みに擬きと付いているのはわたくしが正しい知識を持っていない為これを日本刀と呼んで良いのか、軍服と呼んで良いのか確証を持てない為である。


 そして最後に黒いフェイス型の仮面を装着する。


 因みにブラックローズの新人達はこの姿で相手をするつもりである。


 そしてわたくしは準備を整えてブラックローズの面々と合流しに向かう。


 本日リカルド・コールドウェルとレオ・クロスフィードのフラグを我がブラックローズがぶち壊してみせましょう。


 敵は、本能寺にありっ!





 ブラックローズの面々に伝えた命令は──

一つ、無闇に人を殺さない事。

一つ、ただし自分の命が危ないと判断した場合は直ちに戦線離脱する事。

一つ、作戦よりも自分の命優先。

一つ、重要参考人である三名は見つけ次第拘束する事。

一つ、証拠は残さない。秘密結社ブラックローズ本部に帰るまでが作戦である。

──主に上記の五つである。


 そしてわたくし達の目の前にはコールドウェル家の屋敷、その大きな門の前に来ていた。

 因みに門兵は軽く眠らしている。


「それでは作戦開始ですわ。 良いです事? 重要参考人は先程教えた場所に居るとは思いますが必ず居るとは限りません。 その都度その都度臨機応変に、作戦よりも自分の命を優先に、ですわよ? 良いですわね」

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