第25話 それが私の日課となった
本当はフランお嬢様が一番キツイはずにも関わらず。
しかし、私もただ黙って見ているわけではない。
ジュレミアによって変わり果て捨てられた奴隷を川から拾って来てはフランお嬢様の元へと運び出す。
それが私の日課となった。
捨てられた奴隷を拾い上げフランお嬢様の元へ持って行くと、白魔術を覚えたばかりであるとは到底思えない高位の魔術により、見るも無残なその姿は綺麗な身体へと回復して行く。
ちなみに今までフランお嬢様が白魔術を覚えなかったのは家族に知られると厄介であるというのと、高等部へ上がる時体力測定と共に魔術測定もする為であると推測出来る。
だからあの時フランお嬢様は、まだ自らの傷を癒す程の白魔術を覚えていなかったのである。
そんなこんなでフランお嬢様に治して頂いた奴隷は最終的に四人にもなった。
それは即ちフランお嬢様の仲間が四人増えたという事であるが、家族にバレてはいけない為普段はフランお嬢様のお金で購入した帝国の外れにある一軒家で過ごしながらフランお嬢様が考えた言語に、ソロバンという計算器具を使った計算方法、そして魔術により戦うすべを叩き込まれている。
そして一カ月もせず最初に救出された奴隷と私は帝国宮廷魔術師に匹敵する程の実力を身に付けていた。
それこそ、あの時フランお嬢様を傷跡が残らない様治せるレベルである。
それと共に私達は街で買い漁った薪用の乾いた木材を買い集めお嬢様曰く『炭』という物の制作に着手し、それが出来上がったのが昨日である。
そしてその炭の完成と共についにジュレミアの粛清に着手する。
今フランお嬢様とジュレミアがいる部屋の隙間という隙間を氷の魔術で埋め尽くし、密封する。
ただ一箇所、炭を燃やすスペースを除いて。
ちなみに炭があるスペースも炭が燃えた時点でジュレミアがいる部屋へと繋げている筒以外は密封している。
そして、炭に火をつけてから約一時後に作戦が上手くいった合図であるノック三回が隣の部屋から聞こえて来たのであった。
◆
あ、危なかった。
あと数秒遅れていたらわたくしの純潔は散っていたであろう。
ジュレミアというガマガエルが床へ倒れるのを見てわたくしははだけた服を着直す。
正直言えばこのガマガエルに触られた箇所、舐められた箇所を今すぐに洗い流したいのだが今はぐっと堪える。
床に倒れたガマガエルを見ると虚ろな目でわたくしを見つめて来る。
今このガマガエルはさぞかし気持ちが悪く凄まじい吐き気に襲われ、更に動きたくても身体が言う事を聞かず恐怖でどうにかなりそうであろう。
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