第19話 そしてあれから
カツヤたちはあれから
魔王誕生と関連しているのかは分からないが、魔物たちも強さを増し、数も増えていった。目立った被害こそないが魔物の隆盛に街の住民たちは
時間がたつにつれて聖女バルバラの人気はうなぎ登りに増した。住民の不安を解消してくれるという願望を背負った。勇者カツヤもまた期待されていた。
デルメル教のペデロ教皇はうまく聖女と勇者を利用した。神託によって召喚された勇者は、聖女と共に教会の
ペデロは聖女と勇者をうまく利用して、何かあれば責任を聖女と勇者になすりつける気でいたのだ。しかし、この
聖女と勇者の人気は個人的なものであり、教会と必ずしも結びついていなかった。ペデロ教皇の
そして
あっけなかったように思えるが、四人がそれぞれの思いを胸に協力し研鑽しあった結果だった。召喚されたのがカツヤでなかったならこうはならずに、悲惨な未来があったのかもしれない。
最大の
デルメル教会はペデロ教皇を追放そして
イルバニア王国に残されし者たちは火中の栗を拾わず、何と勇者カツヤに王位を
勇者カツヤは王位と関係なく魔物に立ち向かい、街の住民の熱狂的な支持はますますエスカレートした。
やがてほどなく魔物の発生も沈静化し、王となったカツヤは聖女バルバラと結婚した。バルバラは
カツヤとバルバラの間には、なぜか男の子しか授からなかったが、壮年に差し掛かろうかという時に待望の女の子が産まれた。
カツヤはその子をユキと名付けた。ウミと迷ったが語感からユキにした。カツヤにとって未知な物の象徴が雪と海の向こうである。イルバニア王国も比較的温暖な気候で、カツヤの故郷同じで雪はほとんど
ユキは聖女の能力を継いだ。女神デルメルの神託を受け取る能力と回復の魔術を使える
剣士の資質がある子供たちはハーデスの元で騎士見習いとして訓練している。ユキはヘルセポネの元で魔術師見習いとして訓練している。
平和に越したことはないが、またいつか神託が下りるのかもしれない。その時にはカツヤとバルバラの子供たちが、あるいは孫たちが子孫たちが立ち向かってくれるだろう。
カツヤは故郷で眺めていた海の向こうがこのイルバニア王国なのだと思う。もちろん物理的には違うだろう。でもカツヤが望んだ世界がここにはあった。聖女とかどうでもいいが、カツヤをここに召喚してくれたこと、愛してくれたことにいつまでも感謝している。
おわり
昔話だけど今につながってる カートン怪 @toshi998
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます