第9話  コスプレ

「続いての競技はイケメンコスプレです!」

「用意された衣装に着替えて、ポーズを決めながらの撮影会です。果たして、どんな衣装があるのでしょうか⁉」

「衣装を選んだのは私です。果たして、どんな素敵な格好が見られるのでしょうか、ふふふ」

 メープルが少し不気味な笑いをする。


 選手控え室で、小次郎達は用意された衣装と対面していた。

「何で衣装が女物しかないんだよ!」

「仕方ない。着るしかない」

「劉備さん、何でそんなに落ち着いていられるんですか」


「さあ、着替え終わったようなので、皆さんに出てきてもらいましょう!」

 小次郎は女子の制服眼鏡っ娘、ジョセフはメイド服、氷海はドラァグクイ―ン、劉備はチャイナ服、カインは森ガール、フシギはウェディングドレス、黒豆はビキニ、ムックはゴスロリで登場した。

「おおっ、女装だ~!」

「得点は会場にいる皆さんの拍手の大きさによって決まります」

「それでは、小次郎からポーズを取って、どうぞ!」


 小次郎は眼鏡をクイッと上げて、委員長っぽい感じのポーズをした。

「おお、可愛い! 90デシベルです!」

「スカート丈が長めなのもポイントです」


「次はジョセフ! 可愛いメイドさんだあっ!」

 少し恥ずかし気だが、「お帰りなさいませ、ご主人様」と言ってお辞儀をする。

「これは100デシベル来たあっ!」

「ジョセフ君、可愛い顔してるから似合いますねえ」


「次は氷海! ええと、ドラァグクイーン?」

「女装パフォーマーのことですよ」

「それもう皆そう!」

 氷海は投げキッスをするが、ハートマークを皆が避ける。

「ううん。5デシベル、残念です」

「化粧がけばけばしいですね」


「次は劉備師匠! チャイナ服ですね」

 劉備はハイキックを見せる。

「高い! さすが師匠! 80デシベルです」

「美人系で戦える感じのキャラ設定ですかね」


「次はカインさん。森ガールですね」

 カインは小刻みな踊りを見せる。ポルカのようだ。

「可愛らしい! 65デシベルです」

「カインさんは森林保護のお仕事をしています。お仕事に合った服装ですね」


「次はフシギさん! ウェディングドレスです」

 フシギはブーケトスをする。

「受け取った方、おめでとうございます。70デシベルです」

「女性にとっては憧れの服ですよね。フシギさんも貴重な経験ができましたね」


「次は黒豆さん! ビキニです!」

 黒豆は腕を頭の後ろに組み、セクシーポーズをした。

「おお~、セクシー! 75デシベルです」

「黒豆さんは最近引っ越してきた方です。これで顔と名前を覚えていって下さいね~」


「最後はムックさん、ゴスロリ衣装です」

 ムックはスカートの端をちょいと持ち、軽く礼をした。

「おしとやかで可愛らしいです。80デシベルです」

「ムックさんはマッサージ店で働いています。ぜひお店にも来店して下さいね」


 コスプレが終わり、現在の得点は小次郎が120点、ジョセフが120点、氷海が5点、劉備が100点、カインが95点、フシギが80点、黒豆が85点、ムックが80点となった。


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