第6話 生徒会室

クォーツ学園、生徒会室。

「あ~、崩しちゃった~」

 会長のメープルと副会長のルビー、書記のメロがジェンガに興じていた。

「もう一回! もう一回!」

 ルビーがもう一回コールをする。

「ダメだよ~。ルビーちゃん。負けたから明日の昼ご飯おごりね」

 メロは犬耳をパタパタさせながら、明日が楽しみだと言わんばかりである。


「じゃ、お遊びはここまでで。そろそろ仕事をしましょうか」

 メープルの目が仕事モードになる。

「すみません! 遅れました!」

 会計のジョセフが生徒会室に駆け込んで来る。

「いいよいいよ。今、会議始めようとしたところだから」

「もう会議の時間にはなっているはずでは?」

 ジョセフは机の上に散らかっているジャンガを見る。

「俺がいないからって遊んでましたね!」

「だって、ジョセフ君いないのに、会議始めちゃ可哀想じゃん」

「俺を理由にしないで下さい!」


「じゃ、今日の議題はイケメンコンテストについて!」

 イケメンコンテストとは、その名の通り、イケてるメンズを選ぶコンテストである。

 運営はクォーツ学園生徒会が行い、クォーツアイランド中の「我こそは!」というイケメンが老若男女問わず参加するイベントである。夏の終わりに行われ、屋台が出たり、花火が上がったりと、お祭り騒ぎである。

「まずは参加者募集のパンフレット作りだよね」

「モデルどうする?」

「ジョセフでいいんじゃない?」

「僕ですか⁉」

「ちょうど生徒会にいる男子だし、別にいいじゃん」

 ジョセフは、最初は遠慮していたが、あれよあれよと言う間にパンフレット用の写真を撮られ、エントリーシートの例も書いていた。

「ジョセフ君は出るの?」

「僕は当日運営するので出ませんよ」

「誰かに替わってもらいなよ」

「そこまでしてもらわなくとも、大丈夫です」

「そっかー、残念だなあ。ジョセフ君出ないんだ~。出たらけっこう良い線いくと思うのに」

「そ、そうですかね?」

「もし、出て優勝しちゃったら、何かご褒美をあげよう」

 ジョセフはメープルに恋をしている。そんなメープルに推されたら、出るしかない。

「わ、分かりました。僕も出ましょう」

「わーい!」

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