第5話  職場体験

そして職場体験の日。

「私はフラワー。あなた達の指導監督を務めます。よろしくね」

「よろしくお願いします!」

「よろしくにゃあ」

「まさか、うちにあのルビー様が来るなんて、園児達も喜ぶわ」

「はっはー、そうですかねえ」


「今日はこのお姉さん達が来てくれたよ~」

「ルビーです」

「チェシャだにゃ」

「わあ、ルビーさまだあ!」

「ほんもの?」

「本物だよ~」

「すごい!」

「じゃあ、早速お歌を歌いましょう!」

「はい、楽譜」と手渡される。

「無茶ブリ来たにゃ」

「ええい! 歌は得意じゃあ! やってやる!」

「「♪~~~~~~~♪~~~~~~~~~~」」


「工作の時間だよ」

 折り紙が全員に配られる。

「あはは、ルビーさまへんなの」

「こ、これは熊さんなんだけどな~」

「これぞクォーツキャッスル!」

「さすがチェシャ!」

「手先は器用だにゃ」


「さあ、お外で鬼ごっこをしましょう。鬼はルビーさんとチェシャさんで。全員捕まえて下さいね~」

「「ひえ~~~」」

 四方八方に散らばる園児達を追いかける二人。

 ジャングルジムで一人、滑り台の下に一人、雲梯の途中でもう一人、捕まえた。

 捕まえた子から、ご飯の準備だ。

 

やっと全員捕まえ終わり、皆で揃って、いただきます。

ルビー達は自分達の弁当を食べる。二人ともビオラが作った特製弁当だ。


昼ご飯を食べ終えた後は歯を磨いて、お昼寝タイム。

 ガチ寝をしてしまったルビーをチェシャとフラワー先生が見守る。


「ルビー、そろそろ起きるにゃ」

「ふえ?」

「次は、お外遊びにゃ」

「ひえ~、大変だ~」


 ヘトヘトになりながら、今日の職務を終えた二人。

「何か働くって大変だね」

「ルビーは将来、お祖父さんの跡を継いで、この国の王になるにゃ」

「う~ん。それも何か、よく分かんないんだよね」

「そんなんじゃ困るにゃ。ビオラと氷海が泣くにゃ」

「でもさあ、実際、私が王様とか実感湧かないよ。この国の皆は好きだよ? でも私が王様? 

 いいのかなあって」

「でも他にいないにゃ」

「う~ん。いいのかなあ……」


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