第3話 特訓

「今日も特訓行ってきますか!」

 ルビーは、座学は嫌いだが、実技はやる気がある。

実技の師匠は劉備といい、クールな達人であった。

道着に着替え、手合わせを始める。

「よろしくお願いします」

「ん」

ルビーの足技を全て避けた劉備は手刀で脇腹を突く。

「いっ、まだまだ!」

 次は連続パンチをかわされ、キックを受けるルビー。

「ぐっ」

 吹き飛ばされるが、壁を蹴り、また向かっていく。

「ほっ」

 またパンチを避けられ、壁に突っ込もうとする。

「げっ」

 手で壁を突いて、体勢を立て直す。

「もう外してもいい?」

「ああ」

パワーアングルを外す。

「よし、まだまだ行くよ!」


「お疲れ様です」

 ビオラがお茶を持って、修行部屋に入ってくる。

「ありがとう。今日も勝てなかった~」

「ええ。明日も頑張りましょうね」

「劉備さん、次は俺とお願いします」

「分かった」

 小次郎は木刀を持って構える。

「やあっ」

 小次郎の一閃をかわし、劉備が蹴りを入れる。

「ぐっ」

 まともに蹴りを食らった小次郎は痛そうにしながらも這い上がる。

「今日こそ一本取らせてもらいます!」

 その剣戟も避けられ、背中に手刀を食らう。

「痛った」


「今日はここまでだ」

「「ありがとうございました!」」


「小次郎、アイス食べて帰ろ」

「おう」

 小次郎には父と母がいない。

 赤ん坊の時にクォーツアイランドの入り口に「小次郎」と書かれた寝間着にくるまれて捨てられていたのだ。

 それを発見したエメラルドがルビーと共に育て、今ではルビーの付き人のようになっている。

 小次郎は孤児である自分を育ててくれたエメラルド達と、普通に友人として接してくれるルビーに感謝していた。

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