第45話 2か所目1

1か所目の神社を出て車で走ること5分、2か所目の目的地の駐車場に到着した。

「さて、それじゃあ行きますか。」

健一郎の掛け声とともに2か所目の目的地へと向けた山登りが始まった。

といっても1か所目の場所と比べてしっかりと整備されているし、僕たち以外にも歩いている人がいるので特に何か動物に遭遇することもなければ、大岩や倒木で道がふさがれているということもなく無事に2か所目の目的地である山城後に到着した。

「ついたね。」

「だね~。」

「さっきの場所と比べると楽だったね。」

という感想が出てくるほど楽な道のりだった。

「翔真、あっちに天守閣跡があるらしいぞ!ちょっと見に行ってくる。」

「あ、待って!私も行く!」

山城後について早々に健一郎は姿を消し、遼太も僕に声をかけるとふらふらと歩いて行った。そしてそれを追いかけるように岩本が走っていった。

結果的に僕と佐々木さん、山本さんは置いて行かれてしまった。僕もすぐ近くにあるクヌギの木から樹液の出ている匂いがしているので少し見に行きたいのだけれどもなんとなく佐々木さんと山本さんを放置してはいけない気がするし、放置するにしてもどこかベンチに座らせてからのほうがいい気がする。というわけで僕もベンチを探しにふらふらと歩き始めた。


~佐々木由香side~

2か所目の山城後について一息ついている間に佐々木さんが消えていった。本当についさっきまで近くにいたのに右を見て左を見たらいなくなっていた。そしてその後すぐに野口さんが田口さんに声をかけるとすたすたと先ほどまでとは比べ物にならない速さで歩いて行った。それを追いかけるように優花ちゃんも走っていった。最後まで私たちの近くにいた田口さんも私たちの顔を見てしばらく首を傾げながら何かを考えているようだったが、1度大きくうなずくと何も言わずにどこかへと歩いて行った。

私はどうしたらいいのかな?と考えていると友梨ちゃんに話しかけられた。

「ねえ、どうする?私たちも天守閣跡に行ってみる?」

「う~ん、どうしようか。」

はっきり言って天守閣跡はここからでも見える。そして、この山城後にいる人のほとんどがそこにいる。例外は私たちと田口さん、佐藤さんだけだ。ああ、あとなぜか野口さんと優花ちゃんの姿が見えない。というか2人は全く逆方向に歩いて行ったんだけれど一体どこを目指したのだろうか?

「とりあえず、日なたに移動しようか。ここ寒いし。」

「そうだね。」

というわけですぐ近くの日なたへと移動した。

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