第38話 帰宅
「ただいま。」
鍵を開け家に帰ったが非常に静かだ。ちゃんとマルを出るときに岩本のスマホに今から帰ると連絡を飛ばしたが、返信はなかった。車のなかで、寝てるのかな?それともお風呂に入っているのかな?と健一郎と話していたが、どうなんだろうか?そう思いながら部屋に入ると非常に不機嫌な遼太が座っていた。
「ただいま、岩本は?」
「寝た。」
遼太はぶっきらぼうに言った。
「そっか。」
「それよりも、色々と言いたいことがある。というわけで、翔真と健一郎は一旦一緒に移動しようか。」
遼太はそういいながら素早く僕と健一郎の前に移動すると手を握り、力を入れてきた。どうやら、逃がす気はないようだ。
「分かった。僕の部屋で話はしようか。」
「ああ。」
遼太は返事をすると同時に僕と健一郎の手を引きながら僕の部屋に入っていった。
~佐々木由香side~
田口さんと佐藤さんは野口さんに連れられ部屋へと入っていった。完全に置いてきぼりになった私は友梨ちゃんと見つめ合って苦笑いをした。
「どうする?」
「どうしようか?」
2人で悩んでいると田口さんからメッセージがきた。
『先にお風呂入っておいて。しばらくかかるから。』
どうやら友梨ちゃんの方にも同じメッセージが来たようで、苦笑しながら聞いてきた。
「どうする?」
「先に入っていいよ。一緒に入ってもいいけど……時間も時間だし…。」
「そうしようか。」
冗談半分で提案してみるたのだけれど、了承されてしまった。
「どうしたの?」
「いや、何でもないよ。」
というわけで、服を取りに優花ちゃんが寝ている部屋にはいると優花ちゃんが起き上がった。
「「ッ!」」
2人でびっくりしていると優花ちゃんはしばらく私たちのことを見ていたが、1人で何かに納得した。
「おかえり。」
「「ただいま。」」
「どうだった?」
優花ちゃんは笑顔で聞いてきた。
「えっと……」
私は友梨ちゃんの顔を見た。友梨ちゃんは少し考えた顔をした後に、私の視線に気がついたようで私の顔を見て首を傾げた。
「その様子だと、何かあったんだね!」
優花ちゃんはなぜか嬉しそうな顔で言ってきた。
「うん。
「そうだね。星は綺麗だったね。」
私と友梨ちゃんが言うと、優花ちゃんはにこにことしながら
「星はね。」
と言った。
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