第33話 作戦開始
『お風呂が沸きました。』
夕食を終え、片付けが終わったところでちょうど機械音声がなった。
「遼太、先に入ってきていいよ。」
「おう。分かった。」
ちょうど暇そうにしていた遼太に声を掛けた。いや、正確にはちょうど遼太だけが暇そうになるように健一郎と一緒に仕組んだからなんだけれどね。
ガチャ
遼太がお風呂に入った音を確認して
「佐々木さん、山本さん、ちょっと付き合ってください。詳細は後で健一郎の車の中で話すので静かに上着を持ってついてきてください。」
「え!」
佐々木さんが驚いた声を上げたが気にすることなく佐々木さんと山本さんを追い立てるようにして玄関へと向かった。
「私は?」
「岩本、僕たちは2時間ぐらいは帰ってこないと思うから頑張れよ!遼太は岩本の行動でどんどんと理性が削られて困ると言っていたから頑張ればなんとかなるはずだから」
健一郎はにこにこ笑顔で岩本に伝えると僕たちと一緒に外に出た。
「それじゃあ、行きますか。」
「おう。」
健一郎の掛け声に返事をしながらどこか納得していない2人を連れて車へと移動した。
「あの、車についたので説明してもらえますか?」
車に乗ってすぐに佐々木さんが聞いてきた。
「分かった。
今回の作戦はあの2人を二人っきりにして関係が進めばいいなぁというものだよ。遼太と岩本は高2の時から付き合ってはいるけど岩本は今よりも関係をより進めたくて、遼太はゆっくりと関係を進めていきたいと思っていたからそこまで進んではいないの。そして、そんな状況で遼太が大学入学に合わせてこっちに来たこともあって前よりも会えなくなった。そして、久しぶりに会ったら遼太がまあ日常的に関わっているであろう2人がいたから少々焦っているみたい。だから、何かの拍子に焦りすぎて何か仕出かすかもしれないから、とりあえず二人っきりにして岩本がしたいようにさせることで何か仕出かすのを事前に抑え込もうかなっていう作戦。まあ、今日ならもし何か失敗して気まずくなったとしても僕たちである程度間の取り持ちぐらいはできるしね。」
簡単に今回の経緯を説明すると2人ともどこか納得した顔をしてくれた。
「ところで、私たちはこの後どうするんですか?」
山本さんが小さく手を挙げながら聞いてきた。
「この後はこの間先輩に教えてもらったきれいに星が見える場所に行こうかな。と思っているよ。別にどこか行きたいところがあれば変更するけどどうする?」
「そこで、いいです。」
「それじゃあ、行こうか。」
というわけできれいに星が見えるという場所を目指して出発することにした。さて、僕たちがいない間にあの2人の関係は進展するかな?
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