第32話

「準備できたよ!」

「おお、あいかわらず量が多いね。」

岩本がニコニコしながら言ってきた。

「そこまで多くないよ。」

「そう?」

「うん。」

量は普段の5人分+αでそこまで多いわけではない。実際のところ少々頑張れば5人でも食べきれると思う量しか用意していないんだけれどなぁ。

「まあ、とりあえず焼いていこうか。ホットプレートは用意しておいたよ。」

「ありがとう。米は炊けているからいる分取っていってね。」

「あ-い。」

遼太が料理の手伝いの代わりと言ってホットプレート等の準備をしておいてくれていたので焼けばすぐに食べられる状態になっていた。

「「「「「「いただきます。」」」」」」

遼太と健一郎が焼く役を引き受けてくれたおかげで僕と岩本、佐々木さん、山本さんはお皿を出しておけば焼けた肉や野菜を入れてもらえる状態になった。

「遼太と健一郎は食べてる?」

さすがに少々気になったので聞いてみると遼太に

「食べてるぞ!それより、翔真米おかわり!」

と言われた。

「あいよ。どれぐらい?」

「普通にお茶碗一杯分」

「了解。健一郎は?」

「お茶碗一杯頼む!」

「おう。」

遼太と健一郎の茶碗を受け取って台所に移動した。

「ほい!」

「「ありがとう」」

遼太と健一郎に米を渡して席に着くと僕のお皿に山のように肉と野菜が積まれていた。何でだろう?

しばらくすると

「「「ごちそうさま」」」

女子3人が食べ終わったようだ。

「焼くの変わります。」

「そう、それじゃお願い。」

山本さんが健一郎の焼く役を交代しにいった。

「あ、遼太。私も!」

「おう。」

それを見て岩本が遼太に体当たりする勢いで突っ込んで行ってそのまま遼太から焼く用の菜箸を奪った。

食器を下げて戻ってきた佐々木さんが何かすることないかな?という顔をしながらキョロキョロとしていた。

しかし、何にもやること無いんだよね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る