第31話 計画

「「「ただいま。」」」

「お帰り。」

「「お帰りなさい。」」

家に入ると女子3人で楽しく話していたようだ。

「お、岩本起きてた!」

「本当だ!」

「だから、言っただろ!だいたい寝ても2時間ぐらいで起きるって!」

3人で店からの帰りの車の中で岩本が家に帰ってもまだ寝てるかどうかで議論していた。僕と健一朗は寝ているだろうと言い、遼太だけは起きていると言っていたが本当に起きてるとは…。

「さてと、晩御飯の準備するからもう少しそっちで話していて。」

「翔真、僕も手伝うよ。」

「えっと…私たちも手伝います。」

健一朗と佐々木さんが声を掛けてきた。

「いや、大丈夫。遼太もそっちに居といて。」

「え、いや…手伝うよ。」

「大丈夫。」

遼太が手伝うと言った瞬間、岩本から絶対に手伝ってと言うなという強い意思を感じた。

「はぁ~。鈍感な遼太に警告しておくけどやめておいた方がいいよ。僕も翔真も恨まれるのは嫌だからね。とはいえ、遼太の意思を無視するわけにもいかないから佐々木さんと山本さんに手伝わなくても大丈夫だと翔真は言ったんだよ。分かったらおとなしくしておいて!」

健一朗がにこやかな顔で遼太に言うとそのままキッチンに移動していった。


「さてと、翔真。何をすればいい?」

プクプクに頬を膨らまして何か言おうとしている岩本は遼太に任せることにしてキッチンに向かうと買ってきたものを冷蔵庫に仕舞っていた健一朗が聞いてきた。

「今日は焼き肉にするから、とりあえず今、健一朗が手に持っているピ-マンを洗って切って置いて。それが終わったらカボチャと玉ねぎ、ニンジンも切っておいて。切ってくれたらレンチンしてから湯がいてス-プにするから。そこまで細かく切らなくてもいいからね。」

「おう。」

遼太に任せて僕は切った野菜を入れるボ-ルを出したりといった細々した作業をし始めた。

「健一朗、少々岩本と遼太の背を押してあげようと考えているんだけど、夜に車出してくれる?」

「おう、いいよ。どうするんだ?」

「それは…」

健一朗と2人で順調に晩御飯の準備をしながら、岩本の背中を押して、遼太を逃がさないようにする計画をたてていった。

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