第21話 健康診断
スライドの課題が無事に完成した。毎日、夕食前と夕食の後に全員で手分けして作ったおかげでとんでもない量のスライド数になり、挙げた事例についてもこと細かく書くことができた。
「よし、それじゃあ提出するよ。」
「「おう!」」
「うん。」
「はい。」
なぜか僕が代表者ということになってしまったので、代表してメールで提出した。
「提出できました。」
メールが無事に送信されたことを確認して全員に報告をした。
「それじゃあ、晩御飯にしようか。」
健一郎が言った。
「今日の晩御飯は何?」
遼太が聞いてきた。
「今日はハンバーグでいい?」
合い挽きミンチと玉ねぎ、にんじんがあったからちょうどいいかなと思って提案してみた。
「おう。それじゃあ、何を手伝ったらいい?」
全く問題ないようである。
「それじゃあ、にんじんと玉ねぎをみじん切りにして炒めて。その間にわかめスープを作る準備をするから。」
いつも通り遼太たちに作業を割り振って料理を始めた。
1時間後、晩御飯が完成した。
全員が席に着いたのを確認して
「それじゃあ、食べようか。」
「「「「「いただきます。」」」」」
食べ始めた。
食べ始めてしばらくすると、
「翔真、この後ひま?」
遼太が突然聞いてきた。
「特にすることはないけどどうかしたの?」
「健一郎と夜釣りに行こうと思っているんだけどいかない?」
「行かない。だって明日は朝から健康診断だよ。いつも夜釣りと言いながら朝までするじゃん。それはさすがにしんどい。」
「え、健康診断明日だった?」
遼太が驚いた顔で聞き返してきた。
「うん、明日。」
「え、本当?」
信じられないようでもう一度聞き返してきた。すると山本さんが
「明日です。」
と答えた。
「おお、それじゃあ、いけないじゃん。」
「遼太、今回はあきらめてまた今度行こうか。」
健一郎がショックを受けている遼太をなだめながら言った。
「明日か…。」
横で佐々木さんも暗い顔でつぶやいた。
「佐々木さん、どうかしたの?」
「いえ、大丈夫です。」
「そう。」
よくわからないけど追及しても答えてもらえそうにないのであきらめた。
ふと、山本さんの方を見ると何かわかったような顔をして佐々木さんを見ていたのできっと山本さんはわかるのだろう。いったい何なんだろうか?
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