第20話 食材が集まってくる・・・もう嫌だ!!
「翔真、来たよ。」
家についてすぐに健一朗がやって来た。
「あれ、遼太は?」
「ああ、あいつは家に忘れ物したとか言って帰っていったよ。」
「そっか。って遼太は直接来たの?」
「いや、1回家に帰って家の冷蔵庫の中で眠っていたタケノコを持って来たよ。ちゃんとあく抜きを済ませてるから問題ないよ。」
「あく抜きを済ませたって、もしかしてどこかから採ってきたの?」
「そうだよ。バイト先で自分の持ってる山にタケノコがはえてるんだけどいらんか?山まで取りに来てくれたらなんぼでもあげる。と言う人が居たからこの日曜日に採りに行ってたの。まあ、行ったらそこの人の畑仕事まで手伝うことになって、結局丸1日そこに居たんだけどね。お陰で可食部分だけで1キロ近くのタケノコをもらえたしあく抜きまでしてもらえたからよしとしようかな。」
健一朗がニコニコとしながら話してくれた。
「そっか、タケノコはどう料理する?」
「翔真の作るタケノコご飯が食べたいからタケノコご飯で、残りは適当になんかして。」
「おう。」
健一郎に言われとりあえず何かできる材料があるのか冷蔵庫の中を確認していると油揚げがないことに気が付いた。別になくても問題はないけど、高校の時に健一郎たちに出したタケノコご飯には油揚げを入れていたので今回も入れることにしよう。別に余ったら余ったで油揚げを使う料理はいくつもあるから問題ない。
「健一郎、油揚げがないから買ってきて。」
「分かった。」
健一郎はそういうと買い出しに出て行った。
タケノコご飯に必要な量のタケノコをのけて残りの分を素揚げと煮物にするために準備をしていると玄関扉が開いた音がした。
「翔真、来たよ。」
遼太が到着したようだ。
「遼太か、悪いけど今手を離せないからそのまま入ってきて!」
「おう。」
声をかけると遼太が大きなビニール袋を両手に持ってキッチンにやってきた。
「ほい、翔真。おみやげ。」
遼太がキッチンに置いたビニール袋から大量のワカメが出てきた。
「遼太、これはどうしたの?」
「ああ、ワカメの収穫のバイトがあったから土日に行ってきたんだよ。そうしたら、これ商品にならないからやると言って大量にもらえた。」
「そうか、よかったね。一応聞くけど料理しろということ?」
「もちろんそうだよ。ワカメの味噌汁とか酢の物とかにして!」
にこやかな笑顔で言い切られた。
「分かった。」
仕方がないのでワカメの味噌汁を作るために大鍋に水を入れにぼしでだしをとる準備を始めた。ワカメの酢の物はまた今度にしよう。とてもじゃないけどそこまで作っていたらまた晩御飯が遅くなってしまう。
「そういえば、他の人たちは?」
「健一郎は買い出しに行ったよ。残りの2人はまだ来ていないね」
「そっか。翔真、揚げるのしようか?キッチンの状態を見る感じ揚げ物をしようとしていたら僕と健一郎がそれぞれものを持ってきて、それの処理をするのに時間をとられてできていないんでしょ。」
「そうだよ。それじゃあ、任せた。」
「任された。」
遼太はそういうとコンロの前に立って次々と油に肉を入れだした。さて、一番最初の予想では1時間30分ぐらいで揚げ物を揚げ終えれる予定だったけどどうかな?今、どんどんと揚げるものがふえているしな…。
結果的に買い出しから帰ってきた健一郎と僕、遼太の3人が代わる代わる揚げていき2時間以上揚げ続けることになってしまった。佐々木さんと山本さんがキッチンを覗いたときに山積みになっている揚げ物を見て驚いていたとさ。
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