第5話 晩御飯と説明3

「事情は大体わかった。別に家に佐々木さんを泊めるのは構わない。親が入学式前日にここに泊まるために布団を一式持ってきてそのまま置いて帰ったから布団もあるしね。」

「佐々木さん、良かったな。まあ、翔真は高校の時から色んなものを拾ってきていたし、別に俺たちが人を1人連れてきても引き取ってくれると思っていたけどな。」

「健一郎の言う通り翔真はいろんなもの拾ってきたね。一番驚いたのはシマヘビかな?」

「いや、産まれたての子猫の方だろ。」

「健一郎!遼太!2人とも僕を何だと思っているの?」

「「面倒見のいい奴」」

「全くもぉ~。まあいいけど。多分間違ってないし。」

「翔真、多分じゃなくて絶対だと思うぞ。」

「クス、あ、すいません。仲がいいんですね。」

健一郎と遼太と言い争っていると佐々木さんに笑われた。部屋に入ってきてから表情が全く変化せず、ほとんど喋らなかったので大丈夫かな?と思っていたがこの様子だと大丈夫そうだ。

「いや、構わないよ。

ところで、健一郎と遼太は時間大丈夫?」

集まる時間が遅れたことにより、食材が届くのも遅れたため晩御飯を食べ始めた頃にはすでに20時をまわっていた。そこからゆっくりと食事をしていたのでもう既に21時30分をまわっていた。

「時間?あ、こんな時間か。片付けて帰らないとな。」

「そうだね。」

「片付けは僕がやっておくから大丈夫だよ。」

「そうか。そんじゃあ、食器を下げたら帰るわ。今日はありがとう。」

「翔真、ありがと。そんじゃあまた明日の朝来るわ。」

「健一郎!ちょっと待て明日の朝来るってどういうこと?」

「うん?そのままの意味だぞ!佐々木さんの自転車を大学に置いてきたから。さすがに車に自転車を載せたまま、買い物に行くには少し車内が狭かったからな。というわけで明日の朝、佐々木さんを回収に来るついでに翔真も乗せていってやるよ。天気予報見る感じ明日は雨みたいだしな。」

「翔真も明日の1限は必修だからとっているでしょ!」

「とってるよそりゃあ。」

「だから、健一郎が今ここにいる全員を明日大学まで乗せていってくれて、送り返してくれるらしいよ。」

「分かった。そんじゃあ、健一郎明日はよろしく頼む。」

「おう、それじゃあな。おやすみ!」

そう言いながら健一郎と遼太は帰っていった。

「そういえば佐々木さん、着替えは持っているの?」

「あ、はい。持っています。シラバスに農業実習の2回目からは畑での実習になるから汚れてもいいように作業着を持ってくることと書いてあったので、高校の体操服とジャージを持ってきましたから。そしたら今日はオリエンテーションだけでしかも40分ぐらいで終わってびっくりしました。」

「そっか。新入生のオリエンテーションの時に一番初めの農業実習はオリエンテーションだけなので着替えはいりませんって言ってたよ。」

「そうだったんですか?聞いてなかったです。」

「それじゃあ、お風呂沸かすから先に入っといて。その間に僕は明日の用意をするから。」

「あ、はい。分かりました。」

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