哲雄さんが辿るサイクリングロードを、実際自分も走っているようで、潮の香りがするような気がしました。そういったサイクリングロードを走る中、思いがけない歴史と出会い、そして物寂しさを共有する哲雄さん、物語は、結論を描くのではなく、恐らくは読み手の皆さんのお気持ちを問いかける形で、あえて終えているのではないでしょうか。