第15話 推しの為に就職する件③
『人間の生命の根源、それを爆発的に放出することで、ソルジャーは超人的な身体能力を誇っている。そしてそれを一般兵で学ぶのが普通なのだが――。ユイ、彼は――。』
「ええ、使えます。」
(なんだ――。この感覚――…威圧感が跳ね上がった――?)
「これは……死ぬ気でやらなきゃ死ぬな。」
俺は壁にある二本の忍刀を見る。それはソルジャーの奥――。
(あそこまで抜ける!)
天文流抜刀術――。
「〝龍撃閃〟」
抜刀の瞬間を速く――。そして、大剣とぶつかる瞬間は遅く――。
そして流水のように大剣を躱し、加速――。
その時、空間に電気が迸った。
「なっ―……」
生体電気。人間の身体の内部、外部には、少なからず電気が走っている。冬にドアを開けようとしたら静電気が走る――。静電気。それの出力を強化。
「《炎雷ノ神》」
男の髪が更に逆立ち、全身に電気を纏っている。
「五式〝爆雷〟」
電撃と衝撃の同時攻撃――。
剣と刀のぶつかり合い――。
しかし俺は刀から手を離し、男の後ろに抜ける。
そして壁の忍者刀を手に取り二刀流の構えを取る。
「銀河天文流・一式〝双剣閃撃〟!」
同じ向きに薙ぎ払い――。
「爆散」
衝撃波――。
「二式・〝対雷双撃〟!」
上からの振り下ろし――。
「四式・〝連突〟」
「五式・〝奪命〟」
全てが同時に防がれる――。
「クソッ……」
(ここで、こんなところで――。)
――止まれないんだ!
イメージが――、流れ込んでくる――。
二本の剣と、刀を持った――《黒き剣士》の姿が――。
「うぉおおおおお!!!!」
《赤い眼》、覚醒。
「次元狂い――。〝飛天〟」
ブレインが何かを感じ取る。それは、おとぎ話にいるような存在の気配――。
空間を抉り、その空間そのものを纏う―――。
「あの剣――!」
〝飛天〟
空間を抉り、斬撃に乗せて放つ。それはソルジャーの身体を大きく吹き飛ばした。
「社長?」
「ああ、ユイ……やばいの好きになったねー…まあ、実力は見せてもらったし合格だよ。」
「ふふっ」
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