第14話 推しの為に就職する件②

ソルジャー1st《ブレイン・ストライク》。

大剣を持ったその男は、無表情のまま、突進を始めた。

(速ッ!?)

大剣を避けて、後ろに下がる。

『ソルジャーの武器は刃が潰してある。けど受けたら――。やばいよ。』

社長の言葉を聞き流し、反撃を打ち込む。

(大剣のまえでは盾が邪魔か!)

盾を投擲し、握りしめた剣を振り下ろす。

剣なんて持ったことないのに――使い方が分かる。

「セアッ!」

鍔迫り合い――。しかし。

「ファイア」

男が呟き、剣のトリガーを引く。すると大剣から衝撃が発せられ、俺は吹き飛ばされる。

「なんだ……!?」

『AZ-78《ストライクブレイカー》。1stに与えられる《専用武器》の一つ。その機能はトリガーを引くことで内部にある強化爆竹の衝撃を刃に伝える――。」

折れた剣を捨てて、壁にある刀を手に取る。

(もっと速く――!)

上からの振り下ろし――と思わせての水平。

フェイントの一撃も防がれる。どう見ても重そうなのに――…どうなってるんだソルジャーは。

「一式―――。《爆撃》」

衝撃により大剣の加速。それによる回し斬り。

それをバックステップで合わせ、回避する。

「三式、《爆散》」

衝撃が直接飛んでくる――。

横に回避――。からの――脇腹を狙った刺突。

(避けられた!?)

反応速度、どうなって――。

『ソルジャーの資格を得るため最も重要な要素――。』

「それが、強さだ」




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