異世界テンプレ
水城みつは
異世界テンプレ
トラックにはねられかけた高二の夜あの日死んどきゃよかったのにな
連勤でつかれた足をひきづってはいるコンビニものは売り切れ
アパートの階段のぼる足先につぎの段差の感覚がなし
あ、知らない天井だ。いや、真っ白い部屋が広がる。神の間キター!
テンションが上りすぎたし落ち着こう。なぜここにいる。俺は死んだか?
「死にました」あっさり言われ、あらためて自分が死んだと納得する
さようなら辛い現世よこんにちは剣と魔法の異世界様よ
青い空なびく草原立ちすくむ見渡すかぎり何も見えない
「ステータス」お約束だが……出ちまった。視界に薄く表示されたよ
丁寧にマップまでもがついている。根拠はないが西へ進もう
ところどこ轍の見える街道に異世界物の情緒感じる
異世界の非現実感はあれども抜けゆく風が
ツノウサギ、魔物がいるのかこの世界、威力ましまし「ファイヤーボール」
俺Tueeできるスキルがあるらしい。では異世界で成り上がろうか
傾いた日差しが陰るそんな頃かなり遠くに剣戟聞こゆ
走り出すこの身体は我が身ではないかのように加速していく
地に伏せる血濡れの騎士ら血塗れの棍棒持ちし下卑たモンスター
馬車の影怯える姿の乙女ら。「ファイヤーボール」「ファイヤーボール」
燃える火でモンスター達を蹴散らして異国の姫を救うテンプレ
ということがあったのよね そう言って彼女はふっと皆に笑った
異世界テンプレ 水城みつは @mituha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます