無数の塵が一つ
「じいさん、たまには誘導ステーションに来なよ」
「ああ、考えとく」
「じいさんみたいな人ごろしには打って付けの場所だよ。マップ見て、前線にいる
「エレナは、誘導ステーションの仕事が好きかい?」
「ええ。大好きだよ。みんなを守るための大切な仕事だから」
智能は考える。
「エレナ…仮に僕はエレナをぶっ転がさなければならない立場にいたら、エレナはどうするんだい?」
「え?そんなの決まってるでしょ?みんなのためになら死ねるよ。笑いながらコロされてあげる。でもそれ以外の場合は全力で抵抗するよ」
「エレナは死ぬのが怖くないかい?」
「うーん、どうだろ。死ぬ寸前にならないとわかんないかな。でもこれは言えるよ。ぷよみたいにきれいさっぱり跡形もなく消えちゃうのって、すっきりできそうでステキだと思うよね」
恐れを知らぬ戦士の鑑かな?
「なるほど。僕もエレナと同じ気持ちだよ」
全然共感できないが、一応エレナに同意しよう。
「でしょ」
満面の笑みを浮かべるエレナ。どうやら
「これなら後顧の憂いなく戦場に行ける」
「んじゃ、総長に報告するね。電気消してドア閉めて」
言いながら、風と化して少女は去っていく。長針は6に指しかかっている。会議は10分も経たぬうちに終わった。
智能は
「調べてもらいたい。
依頼料として800シールトを払い込み、送信。
長針が11を過ぎる頃、
長い廊下を抜けるとそこに昇降機がある。ここ帝国陸軍参謀本部は地下1キロに位置し、戦略級魔術を凌ぐためのシェルターでもある。シェルター全体は地魔術の結界に覆われており、第五位階でも地・水・光の魔術攻撃は無効化され、第四位階以下なら炎・風・闇の魔術攻撃もシェルターの中に届かない。中に入るには昇降機を使わなければならないが、外に出るなら必ずしも昇降機を使うわけではない。たとえば、エレナは第三位階の風魔術「レビテート・スルゥ」を使って岩盤をすり抜けて地上に上がる。
昇降機の中で
「魔物として生まれ落ちたとしても、死ぬまで人類として生きて」
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