幕間2-2

(ズバババーーン!)

『希望の光が私に宿る!』

(ピカリーーン☆)

『魔法少女プリティア!』

(ヒュオーーン♪)

『信じる心で、奇跡を起こします!』


はゎぁ~♡ 何回観ても良いなぁ~♡ プリティアの変身シーン。

わたしもあんな衣装を着てみたいけど、まだ踏み込めない...。

今はこれが精いっぱい...。


山田麻衣やまだまいは、幼少の頃に夢中になったテレビアニメの魔法少女に強い憧れを抱いていた。

コスプレにも興味はあるが極度の恥ずかしがり屋なので、それは夢のまた夢である。

アニメの劇中では1エピソードでしか身に着けていなかった髪留めを真似るのが、今出来る唯一にして精いっぱいのコスプレだった。


いつもの5人で談笑している間も、その髪留めがアニメのモノだと皆にバレたりしないか、気が気でならない。


「あれ~? 麻衣ちゃんの今日の髪留め、いつもと違うヤツだね。可愛い♪似合ってるよ~、ね!一樹!」

「ああ、そだな。似合ってると思うよ。」


「ありがとう~♪ちょっと子どもっぽいかなーって思ったけど、お気に入りなんだぁ(茜ちゃんと一樹くんにはバレてない。大丈夫)」


麻衣は皆の話を半分に聴きながら、髪留めにそっと手を添えてアニメのシーンを思いを馳せていた。


「・・・それは希望の光が宿るでござるな」


不意に慎太郎がプリティアのセリフを口にしたような気がした。

顔を上げると、ドヤ顔でこっちを見ている?


(え?慎太郎にバレてる?わたしが魔法少女プリティア好きな事や、この髪留めの事も・・ええ~~~なんかやだやだやだ~~・・)


ヲタクな慎太郎は侮れない・・と涙目になっていたところに、憧れの宏が声をかけてくる。


「麻衣のその髪留め、どーっかで見た事あると思ったら昔のアニメの、魔法少女のだろ?

俺もガキの頃超ー観てたぜー。『奇跡を起こす!(キリ)』とか言うヤツな(笑)」


(え?宏くんも観てたの?気付いてくれたの!?

はゎゎぁ~~・・やだやだやだ~~・・好き♡)


麻衣の中でまた少し、宏の存在が大きくなった。

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