りらびえ

霧這

Not my cup of tea

街路樹で 冷たい行方を待つ写月うつしづき

火点ひともし頃の帰りは遅いのに

寒さは早退を繰り返して

暖かさは休みがち 当今とうこんは初夏の花が

小さくなって霜で傷むではないか

天気にすれば余程 人手不足なのだろう

昨晩の温度で 軍曹が転がっていてた


   山の方で積もる新雪は

   せっかちすぎて ぬるくかたい

   うまく溶けず浮いちゃう粉のスープに似てる

   春が延長を報せるパンザマスト

   嘘をついて街を出る時間だ


ニセモノの春が私の帰りを待っている

日陰が無いから全部 居場所

冷えモノ同士 温度を足し算して


          ねえ、リラ

          花のマジナイだけじゃ足りないでしょ

          なぜ、リラ

          歓楽街 タバコの吸い殻で咲くなんて

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

りらびえ 霧這 @Sachi8hyA9sya7

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ