第3話歌舞伎町
やっと歌舞伎町に着いた。
僕が検索した結果歌舞伎町には未成年でも学生証無しで働ける場所があるらしいのだ。
でもそこは歌舞伎町でも派手で都会感のあるところではなく、古さが溢れている気味が悪い路地裏だったのだ。僕はそこに歩いて行った。
「ここかな」
気味が悪く、古い雰囲気のある昭和、バブル時代の遺物を感じる。呼び鈴が斜めに傾いており、機能するのかが心配だ。僕はそれを踏まえて呼び鈴を押す。呼び鈴が辺りに響き渡った。
そして少し物音がし、扉が開いた。
「あぁ?何だお前。」
威圧気味に質問する30程度の若白髪の生えた中年に見える男。僕はそれに答弁した。
「あの、働けると書いてあったので来たのですけど」
頭を傾げ、何の事やらとでも思っている様子の中年。
「ああ、そういう事か、働かせてやるよ、来い。」
そう言って家を案内する中年。
そして案内が一通り終わり、自由にして良いと言う中年。
「仕事は、何をすれば良いですか」
「勝手にしてろ」
そう投げやりに言う中年。
僕は何も出来ず家を周った。
そんな時、足に激痛が走った。
何だろう。そう思って下を見るとそこには、
拳銃があった。日本は拳銃の個人所有は認められていない筈、そう思った。でもこのままじゃ、そう思っただから、拳銃を拾ってリュックの奥底に隠した。
恐怖が僕を襲う。苦しいでも一度指紋を付けてしまったなら僕は置くことが出来ない。
「おい。何してる」
中年が話しかけてくる。バレたのだろう。拳銃を拾った事が。
「すいませんでした。」
そう僕が謝ると中年は笑顔を垂らす。
「そうか、でも 死ね」
ナイフを僕に刺そうとしてくる。
僕は咄嗟に避けた。奇跡と言っても良いだろう。
「早く、死ね」
そう叫ぶ中年。でも中年は心臓をナイフを落として抑える。苦しそうだ。
でも僕は、拳銃の引き金を弾いた。残酷だと分かっていた。でも本能的に撃ってしまった。
幾らに無様だと知っていても、最悪だと分かっていても、殺すしか僕にしか選択肢は無かった。醜い人間なんだ。そう自分を肯定する。
拳銃に孕んだ弾が飛び発砲する時の恐ろしさは余り感じなかった。僕はサイコパスなのだろう。
拳銃から出た弾は中年を貫通し外に出ていた。僕は証拠を残さないように、弾を回収した。
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