第16話 アレッサの街〜4
ルークが宿に戻ると部屋の扉が開いたままで背負バックはベットの上で誰かが開けた形跡が残ってた。泥棒が入った様子だが罠に驚いて逃げたようだ。
ルークは宿の主人に『部屋に泥棒が入ったが何も盗まれなかった。全身に盗人と刻印されて手が腐った奴が犯人だ。この宿の宿泊客かも知れんが一応報告しておくよ』
『あんたは何者だ』
『私は錬金術師。錬金術師の荷物に手を出すとこうなるんだよ』
主人は『…どうなるんだよ』と呟いたもののルークはそのまま部屋で休む事にした。
*****
ステファンは竜の髭の主人に2階の3番目の宿泊客に話が聞きたいと継げた。
あなたは?と問われたので自己紹介をしたが『部屋に押し入った者が怪我をしたようで話がしたいんだ。』と告げた。宿の下男に呼びに行くように指示をして『怪我の様子はどうなんですか?』と問うた。
『金が無ければ手が腐ってやがて死ぬな』
『死ぬんですか?』
『死ぬな。錬金術師の荷物に手を出したんだろう。盗人のひとり位は死んでも困らん』
『確かに』
呼ばれたルークは降りて来てびっくり!
『ステファン様!』
『これはルーク殿 お久しぶりです』
*****
『ちょっと視察で寄ったのですが驚きましたよ。盗人の刻印を久々に見ました。』
『あゝあんな物でも盗まれると面倒なので(笑)』
『あれは治るんですか?』
『腐食毒の解毒剤と回復ポーションが有れば治ります』
『無ければ?』
『高熱が出てやがて死にます。盗人が死ぬと困りますか?』
『困りませんね(笑)』
あの人たちは何なんだと呟く主人だった。
*****
少し話があるのですがとステファンは食堂兼バーに誘った。
ステファンは宮城の状況を説明して対処法を問うたのだが、
『私はエリック第一王子に嵌められて無実の罪で国王から追放されたのですよ。何も助ける義理はありません』
『あの城はどうなるんですか?』
『どうにもなりませんよ。突然城が崩壊する訳でもなく、ただの古城のひとつになるだけです』『歴代の王や王妃によって結界を維持する魔力が膨大になって、
それを維持するだけの魔力を供給出来る人はもう残っていないでしょう』
『時間の問題だったと言う事ですか?』『そうです。だからルーエン氏は身代わりの私を育てて時間を稼いだのです』
『私も後継者を探しましたが魔力量の多い候補者は見つけられませんでした』
『私が騙されて追放されたのは幸せだったとも言えます。なので戻りたくもありません』
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