第10話 ギルマス宮城に呼ばれる〜2
ステファンは『つまりは錬金術師長の作業部屋に入らなければ自体の収拾は出来ないと言う事ですね。加えて入れるのは追放された錬金術師長のみで行方は分からないで宜しいですか?
錬金術師長の部屋は別の魔硝石で扉が守られており、その魔硝石の魔力が枯渇しないと開かないし錬金術師が実験に使う部屋なら特別に頑丈に作られているから外から城が壊れる程の力を加えないと恐らく開かないと思われます。
あとは引退された前錬金術師長を探して開ける方法をご存知かお聞きするしか有りませんね。私は居場所を存じませんのでこれ以上はお役に立てそうに有りません。御用が無ければ退席させて頂きます』とステファンは深々と礼をして帰って行った。
ステファンは『本当にバカの集まりなの?初代王から錬金術師がこの城の要だと言われたのに引継ぎ相手も残さず追放するなんて、もうこの国は終わったね』と独言るのであった。私も万一に備えて引越し先を探すとするかと虚空を見上げたのである。
ギルドに戻ったステファンはギルドの金庫番にルークの預金残高を確認させたが預金は追放日に全額下ろされていた。『そうだよね。お金いるし。』
あとは錬金術師協会の残高と最終引き出し場所なんだけど王城に見つかると『隠していたな!』とヤバイから動けないなあ。
まあ表敬訪問でもしようか?
**********
こんにちは。冒険者ギルドのギルド長をしているステファン・サルバトーレですがマクミラン錬金術師協会長はいらっしゃいますか? 近くに来ましたのでご挨拶だけでもさせていただけませんでしょうか?
ステファンは型通りの挨拶をしたのだが受付嬢は慌てて奥に駆け込んだ。
暫くすると『奥の応接室にご案内いたします。』と通された部屋には騎士団長のレンドリン氏がマクミラン協会長と対面されていた。『あ、やべぇ』
『レンドリン様も考える事は同じですね。ルーエン氏の所在を聞かれていたのですか?』
『あゝだが個人情報は教えられんと断られたよ』
『まあそうでしょうなあ。私は冒険者ギルドで販売出来そうな商品がないかお聞きする序でにお尋ねしようかと思ったのですよ』
『序でですか?』
『ええ序でです。何処に居るかも分からない人探しはギルドの仕事ではありませんからね』
レンドリン騎士団長は苦虫を噛み潰したような顔で失礼すると帰って行った。
マクミラン氏は事情を知りたがったので『実は錬金術師長を追放した後になってから居ないと不味いと気付いたのですよ。錬金術師長は宮城イヤ王都を守る要だと言うのに。ルーエン氏が育てた期待のルーク氏に無実の罪を着せて追い払ったようです。なんでも出て行く時に衛兵にあの色ボケ王子に嵌められたんだ。俺は無実だと叫んでいたとか』
『そう言えば何時ぞやエリック第一王子が来られてルークの作った魔法陣が動かんと調べるようにとルーエン紙を持ち込まれましたな』
『それは大いに関係ありそうですね』
『では城の明かりが消えたのも?』
『ええ守りの要が居ないのですから今攻められたら城は崩落するでしょうね
かと言って今は攻めてくる国も居ませんから城内が暗いと呑気なものです』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます