身一つで異世界に。 〜 何も持たない男が異世界で成り上がる。

第21話 領地をさらに発展させよう

戦火を防いだ戦力と伯爵になった影響か俺の街に更に人が集まり出した。

十分に広く準備していたフユーチャーの街も建築ラッシュの商会の出店ラッシュ、広げる農地が新たな領民に下げ渡される。

広い街道がに馬車や馬車で埋まるほどだ。

俺は宰相からの依頼で王国内に5つの大規模な砦を作っている。

魔境面する場所から隣国との国境近くと重要度の高い場所だ。

他の貴族の領地も多い、貴族立ち合いでその建設を行うと皆驚きで声が出ないようだ。

そのお陰かその後俺に対する敵対は鳴りを顰めた。

そりゃそうだろう、3万の敵兵をほぼ1人で撃ち倒したと言っても誰も信じられぬだろう、しかし目の前で砦が出来上がるのを見れば俺の力の一端を感じられると言うもの、それもわからぬ貴族ならば早々に滅んでいよう。

そして俺は第2、第3の街を作る計画を立て始めた。

領地の南側に乾燥した大地と岩山が広がる土地がある、そこに第2の街を。

西に沼地の広がる広大な湿地がありそこの第3の街を作る予定だ。

乾燥した大地と岩山を収納魔法で収納し巨大な窪地を作り上げた。

窪地の底に数箇所、深井戸用の穴を掘る。

この辺りの水利は、深いところに地下水が流れているため地上が乾燥していたのだ。

水脈を掘り当て水を引き込めば、潤った大地に変わるだろう。

この世界のご都合主義的な環境がそれを可能にする。

窪地を埋め立てて広大な農地に変えながら街用の区画を作り上げる、ここの人口予定は10万人だ。

名前を先に聞けておこう、

「ガイアにしよう。次の街はベニスだ。」

西に向かい広大な湿地帯の土を収納魔法で削り取る、ここは水利が乱れるほど溢れているのだ。

太めの地下水脈を纏めながら街の外周に水路を作り始める。

「水の街でいいよな。ベニスだけに。」

と言いながら街中にも水路を作り、物の運搬を水陸両方でできる街に仕上げる、人口は10万人だ。

フユーチャーの街の水路と結び、水の都のイメージを作り上げた。

ここは魔物が出る事もあると言う話から城壁も作る、なぜか魔物は水を嫌うことがあるのだがここには出るのだそうだ。

「ベニスは商業の街がいいだろう。ガイアは農畜産の街。」

第2、第3の街の外郭が出来た頃俺は、王国な以外に移住を募った。

ガガルト王国からも難民が押し寄せて来た、それらを暖かく迎え入れて二つの街は直ぐに予定の人口に近づいた。

ーー　新たな住民たち　side

働き手である夫を失った家族が、国を捨ててセントレア王国の新たな街にたどりついた。

「お母さん、本当にここに私たちが住めるの？」

12・３歳くらいの娘と８歳くらいの男の子を連れた女性が娘にそう聞かれていた。

困った顔の母親は藁をも掴む思いで、役所と書かれた建物の扉をくぐる。

「いらっしゃいませ。新規の入植希望者ですか？何人ですか？困っていることは？何が出来ますか？」

続け様に来る質問に、慌てながら答える三人に別の職員が近づき

「大体のことはわかりました。先ずは食事をしてから家に案内しますね。」

と言うと食堂に案内して

「どうぞ、好きなだけ取り分けて食べてください。料金は無料です、領主様からのお礼ですから。」

と言われ、大皿に山と盛られた料理に目を丸くしていたが、子供の空腹には耐えられず料理に箸をつけ始めた。

「お母さんこれものすごく美味しいね。」

娘が言うように母親は今まで食べたことのないような料理におそれを感じるほどだった。

そのご家族は新しい家、彼女らからするとお屋敷のような立派な家を案内され

「ここが貴方たちの家です。10年住んでもらえれば貴方たちの物になりますので、大切に使って住んでくださいね。」

と言われまたしても驚き、しかも家具屋寝具付き。

信じられない待遇にオドオドしていた家族も1週間もすると慣れて、新しい仕事に精を出す母親と娘、息子は「学校」と言う名の施設で読み書きを教えられているようだ。

一月後には賃金を貰い

「こんなに貰えるのですか？」

驚く母親に役所の職員は、

「すでに税金は差し引いています、コレからもお仕事頑張ってください。」

と言われ、親族を呼ぶことを考え始めた。

このように信じられぬような高待遇の移住者の噂は、直ぐに広がり二つの街は大いに人で溢れることになったのだ。