第20話 陞爵!娘を貰ってくれ?
「この度のガガルト王国の侵略に対し、単独で撃破、ガガルト王国国王以下高位貴族を生捕にして戦火を収めた功績により、セブン=サーチ子爵を伯爵とする。領地についてはそのままである。」
と言う言葉が陛下以下揃った褒賞式の中で響いた。
俺は伯爵となったのだ。
周りの貴族がざわついた、そのる優は簡単これほどの戦果であれば褒賞が叙爵だけでは釣り合わない。
そこに宰相からの言葉が続く
「セブン伯爵についての褒賞は、第一王女カルメン様が降嫁されることとなった。」
という言葉に更にざわつく周囲、何処の馬の骨かわからぬ男が伯爵と王女を娶るのだ当然だろう。
「騒ぐな!コレは決定でありすでに決まったものである。反論は許さぬので言動には十分注意すること。」
と言うと式典は終了した、俺はその後宰相に呼ばれて国王家族の住む離宮に招かれる。
ーー 離宮にて
「先程のお話、私は聞いておりませんが。」
俺は離宮に着く間宰相にその事を繰り返し口にするが無視されていた。
「ようこそ参られた。さあ、こちらに婿殿。」
ミルディー王妃がにこやかに俺を迎えると、席を指した。
黙って座る俺、そこに俯いて早に入って来た王女、表情は見えない。
「気が動転しており挨拶が遅れました。王妃様、王女様、お久しぶりでございますセブン=サーチです。この度のお話、カルメン殿下にはご不快なお話であろうとご察知します、私のことは気にせず先のお話はお取消しいただいて構いません。」
と言うと、パッと顔を上げたカルメン王女が頬を膨らませて
「セブン伯爵は私ではご不満ですの?」
「その様な不敬はありません。何処の馬の骨かわからぬ私に王女殿下が降嫁することが申し訳なく思い。」
「その様な詮索は不要です、アレは私からの申し出です。貴方が私をいらぬと申されるならば考え直します。」
「その様なことは決して申し上げません。本当に私のような者のところに来てくだされるならば、3国一の花嫁といたしましょう。」
と答えると、カルメン王女殿下は初めて笑顔で微笑んだ。
「まあまあ、仲良しもそこまでにして、王が来ますのではなしはそこで。」
と言う王妃の言葉で国王が入室する。俺は素早く膝をつき頭を下げる。
「顔をあげよ、ここは家族が住む離宮、セブン伯爵には自分の家のように寛いで欲しい。それで娘との話は纏まったのか?」
顔を王妃に向けた国王、頷く王妃に頷き返して
「それは重々、此度の褒賞に領地を差し出すのが良いのだがいい物件がなくての、すまぬ。」
と言う国王に
「とんでもございません、此度の戦いは我がサーチ領の兵士の訓練として利用させて頂きました。これ以上の恩賞は望むべくもございません。」
と答える俺に国王と宰相が
「それよ、セブン伯爵。あの砦は一夜にして築いたと聞き及んでいる真か?」
「そうだ、ワシも聞いておきたい。あのような立派な砦を短期間に作ることが本当に可能なのか?」
疑わしいと考えていた2人に
「本当のことです、お二人は以前タイガード辺境伯領の魔境側に防衛用の城が出来たことをご存知ですよね。アレも私が数日で完成させたものです。今ならあの規模でも材料さえあれば、1日で作ることは可能です。」
と答えると
「真か!それではいくつか頼みたいことがある、宰相と打ち合わせてくれ。」
と言う国王に言葉に頷いてみせた。
その後は国王家族との会食、婚約の日取り等を決めて終了となった。
「俺がお姫様を嫁にもらうか。」
感慨深く呟くと地球時代のことを思い返す、何もいいことの無かったあの頃とは真逆だなと思いながら屋敷についた。
「「「ご主人様おめでとうございます。」」」
従魔や友より温かい言葉が俺に実感を与える
「ありがとう。コレからはお前たちも幸せにしてやるぞ。」
と宣言して俺は早速腕を振るって料理を作った。
専属の料理人が慌てる中、新たな料理「カレー」の完成だ。
「!コレはまた、スパイシーでコクがありさらに食欲をそそる料理です。」
横で手伝っていた料理長が感激しながらレシピを作り上げていった。
その日の夕食はカレーにナン的なパンと肉料理に酒が振る舞われた。
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