第3話 異世界はやっぱり、これもそうか

城壁の数箇所に門が設けられて門番とおぼしき男が2人立っていた。

「身分書を見せろ」

1人の男が俺たちのそう声をかけた。

「身分証?それはどこでもらえるんですか?田舎から出てきたのでよくわからなくて。」

と俺が答えると

「4人とも同じ村出身か?」

「はいそうです。」

「分かった、こっちに来い」

と言うと門の横の小部屋に連れて行き、机の目の椅子に座らされた。

「これに名前と歳、それと出身地を書け」

紙を渡されそう言うとその男は席を離れた。


俺はこの世界の文字を知らない、どうしようか「あ!」

世界言語のスキルを取得して4人分の必要事項を書き込んだ、ただし従魔達は人として虚偽の内容だがバレないだろう。

「できたか?どれ」

「お前が・・セブン15歳、お前がコロネ16歳、お前がカティー18歳でお前・・貴方が19歳のムラサキさんですね。これを渡しておきます仮の身分証です。7日以内に冒険者ギルドか他のギルドで身分証を発行してもらってください。それでは街へどうぞ」

とムラサキにえらく違う態度を見せた門番は俺らを街に入れてくれた。



ーー 街中、アレクサンドラの街



「ふーん。アレクサンドラと言うのかこの街は。」

そう呟きながら俺たちは、身分証と素材か買取をしてもらうため冒険者ギルドを目指した。

「あー。良い匂いがします。あそこからも」

コロネが今にも涎を垂らしそうに呟くが、

「今は金がないからダメだ、少し待てよ。」

と言いながら目的のギルドにたどり着いた。

「意外と大きいな」

第一印象だ、扉を開けて中に入ると多くの男女が中にいて、喧騒に包まれていた。

「意外と繁盛してるんだな」

第二印象だ。

そのままカウンターに向かい人の列に並ぶ。

すると少し酔っ払った男らが3人ほど近づいてきて

「ねえちゃん達、以来か?俺らと飯でも食わねえか?」

とナンパしてきた、皆は無視していたがコロネだけは・・・匂いについて行きそうだったがなんとか我慢したようだ。

「何無視してるんだ!俺らはDランクのオーガの皮のメンバーだぜ」

と恥ずかしそうな名前を自慢しながら言う男に思わず笑ってしまった。

「小僧!何笑っているんだ!ちょっとこっち来い。指導してやる!」

と言いながら男が俺の腕を掴んで引きずろうとして、コケた。

そりゃそうだろう、赤ん坊が大型トラックに手をかけて引っ張ろうとしたようなもんだ、当然の結果だが男はそう思わなかったようだ。

「やりやがったな!」

と言うと殴りかかってきた、それもものすごく遅いパンチで。

2・3発かわしてからデコピンを加えると男は出入り口まで吹き飛んだ。

残りの男が殴りかかるが同じようにデコピンで吹き飛ばした後カウンターに向かい直す。


その様子を見ていた他の冒険者やカウンターの受付嬢が唖然としていたが

「僕らの順番ですね。登録をお願いします。」

と言う俺の声に平常運転をし始めた受付嬢は、登録用紙を差し出しながら

「これにひち要事項をお書きください。わからない事があればお答えします。」

と言いながら人数分の登録用紙を差し出した。


「はいこれで登録は終了です。これが冒険者のルールブックです、よく読んでおいてください。」

と登録が済んだようなので

「魔物の素材を売りたいんですがここで買取をしていますか?」

「魔物の素材ですか?ええここで買取しています。向こうに見えるカウンターが買取カウンターでその裏が大物や数が多い時用のものです。」

と教えてくれたので早速買取カウンターに移動する。


買取カウンターには中年のおっさんが座っていた。

「買取をお願いしたい。素材は何を買い取ってくれるんだ?」

「何をて、魔物の素材は全てだよゴブリン以外は。」

と言う言葉に俺は収納から5つの魔石と牙や爪を取り出して置いた。

「これは・・・Aランクの魔石!これは・・・Sランク!!この牙はデビルタイガーの牙!これはデビルベアーの爪・・・間違いない。これをどうしたんだお前」

「どうした?魔物を倒して回収したに決まっているだろ」

「嘘を言うな!こんな災害級の魔物、お前らに倒せるはずが・・・ない・・・よな。」

「残ねだが俺たちが倒した獲物だまだ他にもあるがこれを買取してくれ。今日泊まる金もないんだよ早くしてくれ。」

と言う俺に男は首を横に振り

「これらは高額すぎてすぐには買取できない、もっとランクの下の魔物はないのか?」

と言うので回収し直して、初めの頃人倒したウルフ系の皮と牙それに魔石を10個ほど出すと

「これでもBランクかよ、分かったこれなら買い取れる。」

と言うと金貨を積み上げた

「金貨250枚と銀貨30枚だ、確認してくれ」

「確認したありがとう。ところでいい宿と美味しい食堂はどこか教えてくれないか。」

と言うと男は紙に何かを書いて渡してくれた。見ると簡単な地図に名前のようだ。

「おっさんありがとよ」

と言うとみんなを連れて外に出た。


しかし異世界もののテンプレばかりだったな。

我慢ができなくなったコロネの歩くままに屋台で軽い(?)食事を済ませると宿屋に向かった。

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